ツインスパーク

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エンジン

吸気効率を高める革新技術

車の心臓部であるエンジンは、空気と燃料を混ぜ合わせた混合気を燃焼させて動力を生み出します。この混合気に含まれる空気の量を調整するのが吸気装置で、エンジンの性能を大きく左右する重要な部品です。空気の取り込み方を最適化することで、力強い走りや燃費の向上を実現できます。そのために開発されたのが「可変吸気装置」です。 可変吸気装置は、エンジンの回転数や負荷に応じて吸気通路の長さを自動的に変える仕組みを持っています。エンジンの回転数が低いときは、吸気通路を長くすることで空気の流れを穏やかにし、力強いトルクを生み出します。街中での発進や坂道での走行など、力強さが求められる場面で効果を発揮します。一方、エンジンの回転数が高いときは、吸気通路を短くすることで大量の空気を一気に取り込み、高い出力を得ることができます。高速道路での追い越しなど、瞬発的な加速が必要な場面で威力を発揮します。 このように、状況に合わせて吸気通路の長さを変えることで、エンジンの性能を最大限に引き出すことができます。まるで人間が深呼吸や速い呼吸を使い分けるように、エンジンに最適な量の空気を供給することで、あらゆる回転域でスムーズな加速と優れた燃費性能を実現します。最近では、吸気通路の長さを変化させるだけでなく、吸気バルブの開閉時期を変える機構や、吸気ポートの形状を変える機構なども組み合わせて、より緻密な吸気制御を行う装置も登場しています。これにより、エンジンの出力向上、燃費向上、排気ガスのクリーン化など、様々な効果が得られています。 可変吸気装置は、車の走行性能を向上させるだけでなく、環境性能にも貢献する重要な技術と言えるでしょう。今後も、更なる技術革新によって、より高性能で環境に優しいエンジンが開発されていくことが期待されます。
駆動系

操る喜び セレスピード

自動車を走らせるには、エンジンの回転数を車輪の速度に合わせる必要があります。この役割を担うのが変速機です。変速機には様々な種類がありますが、近年注目を集めているのが、自動で変速を行うと同時に、運転者が自ら変速操作も楽しめる機構を持つものです。アルファロメオが開発したセレスピードも、こうした新しい変速機の一つです。 セレスピードは、アルファロメオの誇るツインスパーク16バルブエンジンの性能を最大限に引き出すために開発されました。この高性能エンジンは、回転数に応じて出力特性が変化するため、状況に最適な回転数を維持することが重要になります。セレスピードは、電子制御によって自動的に最適なギアを選択し、スムーズな加速と燃費の向上を実現します。まるで熟練の運転者が操作しているかのような滑らかな変速動作は、乗る人すべてに快適な運転体験を提供します。 しかし、セレスピードは単なる自動変速機ではありません。運転者が自らギアを選択することも可能です。ステアリングホイールに取り付けられたパドルシフトと呼ばれるレバーを操作することで、まるでレーシングカーのドライバーのように、瞬時にギアチェンジを行うことができます。この機能により、運転者はエンジンの回転数を自在に操り、より積極的に運転を楽しむことができます。急な坂道やカーブの多い道でも、思い通りの走りを可能にします。 アルファロメオは、単なる移動手段ではなく、運転そのものを楽しむための車作りを理念としています。セレスピードは、まさにこの理念を体現した技術です。高度な電子制御技術と、運転者の操作性を両立させることで、乗る人に操る喜びを提供します。セレスピードは、アルファロメオの情熱と技術力の結晶と言えるでしょう。