高地での車の運転:知っておくべきこと
高い場所での自動車運転を、高地運転と言います。一般的には標高1000メートル以上の場所を指し、日本では1500メートル級の高原や山岳道路も珍しくありません。平地とは異なる環境での運転となるため、注意が必要です。
具体的にどのような点が異なるのかというと、まず空気が薄くなります。標高が高くなるにつれて空気中の酸素が少なくなるため、人は高山病にかかりやすくなります。これは、自動車にとっても同じで、エンジンの燃焼に必要な酸素が不足し、出力が下がります。アクセルペダルを深く踏んでも、思うように加速しないといった現象が起こりやすくなります。また、ブレーキにも影響が出ます。空気抵抗が小さくなるため、スピードが出やすくなる一方、ブレーキの効きが悪くなる場合もあります。
高地では気圧も低くなります。気圧が低いと、タイヤの空気圧が相対的に高くなります。そのため、出発前にタイヤの空気圧を調整することが大切です。また、低い気温も高地運転の特徴です。夏場でも朝晩は冷え込むことが多く、路面が凍結している場合もあります。特に山間部では天候が変わりやすく、急な雨や雪に見舞われることもあります。そのため、天気予報をよく確認し、防寒対策や雨具を準備しておくことが重要です。
日本では、中央自動車道や長野自動車道など、高地を通る高速道路が数多くあります。海外旅行でも、高地をドライブする機会もあるかもしれません。そのような場合は、高地特有の環境変化を理解し、安全運転を心がけることが大切です。急発進や急ブレーキを避け、車間距離を十分にとり、周りの状況に注意を払いながら運転しましょう。