デッキ

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車の構造

車の後部構造:アッパーバックパネル

荷室の後ろ側の板、つまりアッパーバックパネルは、車の骨格の後ろの方で大切な部品です。ちょうど後ろの座席の背もたれの後ろにある窓の下から、荷物を置く場所の蓋の上までの部分を指します。この部分は、単なる板ではなく、車の後ろ姿を形作るだけでなく、車全体を頑丈にするという重要な役割を担っています。 もし後ろから追突された場合、このアッパーバックパネルが衝撃を吸収し、乗っている人を守る盾のような働きをします。そのため、とても丈夫な素材で作られており、その形も衝撃をうまく逃がすように工夫されています。ただ硬いだけでなく、衝撃のエネルギーを熱に変えて吸収するような、特殊な構造を持っている場合もあります。 素材としては、高張力鋼板と呼ばれる、薄くても強い鉄板が使われることが多いです。最近では、さらに軽くて強い素材の研究も進んでおり、炭素繊維などを用いたものも見られるようになってきました。軽くなれば、車の燃費も良くなります。 形も様々で、車のデザインに合わせて複雑な曲線を描いているものもあります。単純な平面ではなく、凸凹や折り目をつけることで強度を高めたり、衝撃を分散させたりする工夫が凝らされています。また、最近の車は、後ろの窓を大きくして視界を広げる傾向があるため、アッパーバックパネルの設計はより難しくなっています。強度を保ちつつ、大きな窓を支えるためには、高度な技術が必要です。 このように、アッパーバックパネルは、安全性、燃費、デザインなど、様々な要素が絡み合った、非常に重要な部品と言えるでしょう。普段は目に触れる機会が少ない部分ですが、車の性能を大きく左右する、縁の下の力持ち的な存在です。