はしご型車体骨格:ラダーフレーム
自動車の骨組みには様々な種類がありますが、中でも「梯子型枠組み」は、トラックやバスといった大きな乗り物でよく使われる基本的な構造です。その名前の通り、はしごのような形をしています。左右に長く伸びる二本の太い柱(側方部材)と、それらを繋ぐ何本もの横木(横断部材)を組み合わせた構造は、まさに梯子を思わせます。
この単純な構造こそが、梯子型枠組みの大きな利点です。はしごの段のように配置された横木が、柱をしっかりと支え、全体を頑丈な箱のような形にしています。この箱型の構造によって、重い荷物や多くの乗客の重さに耐えられる高い強度と耐久性を実現しています。トラックが何トンもの荷物を積んで走ったり、バスがたくさんの人を乗せて走ったりできるのも、この頑丈な骨組みのおかげです。
さらに、梯子型枠組みは、ねじれや曲げにも強いという特徴があります。これは、枠組み全体で重さを分散できるからです。たとえば、でこぼこ道を走るとき、車体には様々な力が加わりますが、梯子型枠組みは、その力を全体に分散させて受け止めるため、車体が大きく変形するのを防ぎます。そのため、乗客や荷物を安全に運ぶことができます。
梯子型枠組みは、製造のしやすさという点でも優れています。構造が単純なため、比較的簡単に作ることができ、修理もしやすいという利点があります。また、部品の配置の自由度が高いため、様々な種類の車体に適用しやすいというメリットもあります。このように、頑丈さ、耐久性、ねじれや曲げに対する強さ、製造のしやすさといった多くの利点を持つ梯子型枠組みは、大きな乗り物にとって欠かせない重要な技術と言えるでしょう。