トルクアクシスマウント

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エンジン

静かな走りを実現する技術

車を走らせる力は、エンジンの回転運動から生まれます。この回転運動が生み出す力を、回転力または回転モーメントと呼びます。回転モーメントは、エンジンの性能を表す重要な指標であり、この値が大きいほど力強い加速を生み出します。 アクセルペダルを踏むと、エンジン内部で燃料と空気の混合気が爆発し、ピストンが上下に動きます。このピストンの上下運動は、クランク軸という部品を回転させることで回転運動に変換され、回転モーメントが発生します。発生した回転モーメントは、変速機、推進軸、差動歯車などを経由してタイヤに伝わり、車を前へ進ませます。 回転モーメントは、エンジンの回転数(回転速度)によって変化します。一般的には、街中での走行でよく使う低い回転数で最大の回転モーメントが発生するように設計されているエンジンが多いです。これは、日常的に使う低い回転数での加速性能を重視しているからです。高い回転数では回転モーメントは低下する傾向にありますが、スポーツカーなどでは高い回転数まで回転モーメントを維持することで、高速走行時の力強い加速を実現しています。 回転モーメントは、エンジンの回転数だけでなく、ピストンの動く距離(行程)やシリンダーの直径(内径)にも影響を受けます。行程が長く内径が大きいほど、大きな回転モーメントを生み出すことができます。 このように、回転モーメントは車の走行性能を大きく左右する重要な要素であり、エンジンの設計においては、目的に合わせた最適な回転モーメント特性が追求されています。静かにゆったりと走る車には低い回転数で大きな回転モーメントを、力強くスポーティーに走る車には高い回転数まで大きな回転モーメントを維持できるエンジンが求められます。