共鳴過給でエンジンパワーアップ!
共鳴過給は、まるで楽器のように空気の振動を利用してエンジンの性能を高める技術です。笛を吹くことを想像してみてください。笛の内部には空気が出入りする穴と、音を出す空洞があります。息を吹き込むと、空気が穴を通って空洞内を振動させ、音が生まれます。共鳴過給もこれと同じ原理で、吸気管の一部を空洞と細い管で構成することで、特定のエンジン回転数で空気が共鳴するように設計されています。
エンジンが空気を吸い込む際、吸気管に繋がった空洞部分に空気が流れ込みます。この時、空洞の大きさや管の長さによって決まる特定の周波数で空気が振動を始めます。この振動がまるでポンプのように働き、空気をエンジン内部へと押し送るのです。この押し出す力の効果によって、エンジンは通常よりも多くの空気を吸い込むことができ、結果としてより大きな力を生み出すことができます。
共鳴過給の効果が最も発揮されるのは、空洞と管の形状、大きさがエンジンの回転数と一致した時です。エンジンの回転数が変わると、共鳴する周波数も変化するため、常に最適な共鳴を得ることは難しいです。そこで、吸気管の形状を変化させる機構を備えたものもあります。これにより、様々なエンジン回転数で効率的に空気を送り込むことが可能になります。まるでエンジンの呼吸を助けるかのように、共鳴過給は自然の力を利用してエンジンの性能を引き出していると言えるでしょう。