ドアガラス

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車の構造

サッシュガイド:隠れた重要部品

窓枠がない車は、見た目にも美しく開放的な印象を与えます。しかし、窓枠がないと、窓ガラスをどのように支え、スムーズに開閉するのか疑問に思う方もいるでしょう。その秘密は、「サッシュガイド」と呼ばれる部品にあります。 一般的に、窓枠は「サッシュ」と呼ばれ、窓ガラスを支え、開閉をスムーズにする役割を担っています。窓枠がない車では、このサッシュの代わりに、ドアの中にサッシュガイドが組み込まれています。サッシュガイドは、窓ガラスを支えるレールのような役割を果たし、窓ガラスがスムーズに上下するように導きます。 サッシュガイドは、主に金属や樹脂などの丈夫な材料で作られており、ドア内部に埋め込まれるように設置されています。窓ガラスには、サッシュガイドに沿って動くための特別な部品が取り付けられており、この部品がサッシュガイドと連動することで、窓ガラスの開閉動作が可能になります。 窓を開ける際には、スイッチを押すとモーターが作動し、サッシュガイドに沿って窓ガラスが下に移動します。窓を閉める際には、モーターが逆回転し、窓ガラスが上に戻ります。この一連の動作は、サッシュガイドの精密な設計と、窓ガラスに付属した部品との正確な連動によって実現されています。 サッシュガイドは、普段は見えない部分にありますが、窓枠のない車の快適性とデザイン性を両立させる上で、非常に重要な役割を担っていると言えるでしょう。まるで縁の下の力持ちのように、サッシュガイドは、私たちが快適に車を利用できるよう、静かにその役割を果たしているのです。
機能

静かな車内への道:吸出し音対策

高速道路を時速100キロメートルで走行していると、「ヒュー」という高い音が車内から聞こえてくることがあります。まるで口笛のようなこの音は、一体何が原因で発生しているのでしょうか。実は、この音は「ドアガラス吸出し音」と呼ばれ、走行中の空気の流れが大きく関係しています。 車は高速で走ると、車体の周囲の空気を大きくかき乱しながら進みます。空気は車体の形に沿って流れようとしますが、複雑な形状のため、場所によって空気の速度や圧力が異なってきます。特にドアガラス付近では、車体の外側を流れる空気の速度が速くなり、圧力が低くなる現象が起こります。すると、車内側の空気の圧力の方が高くなるため、ドアガラスは外側にわずかに吸い出されるのです。 この吸い出しは、わずか数ミリメートルとごくわずかですが、このわずかな隙間が音を発生させる原因となります。ドアガラスと車体の間の密閉性が下がることで、車内外の空気が行き来し、その際に「ヒュー」という音が発生するのです。 この現象は、飛行機の翼が揚力を得る仕組みと似ています。飛行機の翼は、上面の空気が下面の空気よりも速く流れるように設計されています。すると、翼の上面の圧力が下面よりも低くなり、翼を押し上げる力が生まれます。これが揚力です。また、ヨットが帆に風を受けて進むのも、帆の両側の空気の圧力差を利用しているため、同じ原理といえます。空気の流れが生み出す力の大きさを改めて感じさせられます。