ドライブギヤ

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駆動系

駆動の要、ドリブンギヤ:その役割と仕組み

くるまを動かすためには、エンジンの力をタイヤに伝える必要があります。そのために、さまざまな部品が組み合わさって働いていますが、その中で重要な役割を担うのが歯車です。歯車は、かみ合うことで回転の力を伝える部品で、動力の送り手となる歯車を駆動歯車、受け手となる歯車を従動歯車と呼びます。この従動歯車が、今回の主題であるドリブンギヤにあたります。 ドリブンギヤは、ただ単に駆動歯車から回転の力を受け取るだけではありません。回転の速さと力の大きさを変える役割も担っています。たとえば、大きな歯車と小さな歯車を組み合わせた場合を考えてみましょう。小さな歯車(駆動歯車)が大きな歯車(従動歯車)を回すと、大きな歯車はゆっくり回転しますが、大きな力を生み出します。逆に、大きな歯車(駆動歯車)が小さな歯車(従動歯車)を回すと、小さな歯車は速く回転しますが、力は小さくなります。 この力の大きさをトルクと言います。ドリブンギヤの歯数を駆動歯車より多くすることで、回転速度は遅くなりますが、トルクは大きくなります。つまり、ゆっくりと力強く回転するようになります。逆に、ドリブンギヤの歯数を駆動歯車より少なくすると、回転速度は速くなりますが、トルクは小さくなります。すなわち、速く回転するものの、力は弱くなります。 くるまを走らせる状況に応じて、必要な回転速度とトルクは変化します。例えば、発進時や坂道を登る時は大きな力が必要なので、トルクを大きくする必要があります。一方、高速で走る時は、速い回転速度が求められます。ドリブンギヤは、このような状況に応じて、歯車の組み合わせを変えることで、最適な回転速度とトルクを実現し、くるまの円滑な走行を助けているのです。まさに、縁の下の力持ちと言えるでしょう。