ノイズ除去

記事数:(2)

車の開発

車の振動と騒音対策:ローパスフィルター

車は走りながら、様々な揺れや音をたてます。これは、路面の凸凹や、エンジンの動き、タイヤの回転など、いくつもの原因が複雑に重なり合って起こるものです。これらの揺れや音は、車内に伝わって不快な乗り心地を生み出すだけでなく、安全な運転の妨げになったり、車体を傷めることにも繋がります。 まず、路面の凸凹は、タイヤを通じて車体に直接揺れを伝えます。この揺れは、サスペンションと呼ばれるばねやダンパーによって和らげられますが、路面の状況によっては大きな揺れになることもあります。また、タイヤが回転するときにも、路面との摩擦やタイヤ自体の変形で揺れや音が発生します。これは、タイヤの溝の形状や空気圧などによって変化します。 エンジンは、燃料を燃焼させて動力を生み出す装置ですが、この燃焼に伴って大きな振動が発生します。この振動はエンジンマウントと呼ばれる部品によって抑えられますが、エンジンの回転数が高いほど振動も大きくなります。また、エンジンから排出される排気ガスも、独特の音を生み出します。マフラーはこの音を小さくする役割を果たしますが、それでもある程度の音が外に漏れてしまいます。 さらに、車が速度を上げて走ると、空気との摩擦によって風切り音が発生します。車の形状によってこの音の大きさは変わり、空気抵抗が大きいほど大きな音が出ます。これらの揺れや音を抑えるために、車は様々な工夫が凝らされています。例えば、車体には防音材や吸音材が使用され、エンジンルームや床下には遮音材が敷かれています。また、サスペンションの性能を向上させることで、路面からの揺れを効果的に吸収することができます。快適で安全な車を作るためには、これらの揺れや音をいかに小さくするかが重要な課題であり、技術開発が日々進められています。
カーナビ

車の雑音対策:快適なラジオ環境

車の音響機器で音楽を楽しむ際に、耳障りな音、いわゆる雑音に悩まされることがあります。この雑音は大きく分けて二種類あります。一つ目は、車の外からやってくる電磁波によるものです。街中には電磁波を発生させる機器で溢れています。例えば、誰もが持ち歩く携帯電話や、無線で交信を行う無線機、その他にも様々な電子機器から電磁波が常に発せられています。これらの電磁波が、車の音響機器の回路に入り込んでしまうことで、雑音として聞こえてしまうのです。 二つ目は、車自身が作り出す雑音です。車は走るために、様々な装置が働いています。エンジンに点火するための点火装置や、電気を作り出す発電機、窓を開閉するためのモーターなど、これらは電気を利用して動いています。これらの装置は、動作する際に電磁波や高い電圧を発生させます。これが音響機器の回路に影響を与え、雑音となって聞こえてしまうのです。特に、環境に優しいと言われる混成車や電気自動車は、高い電圧を使う装置が多く搭載されているため、雑音対策がより一層重要になります。 近年の車は、様々な機能を電子制御で行うようになり、電気を使う装置も増えています。そのため、雑音の原因となるものも多岐に渡り、雑音の種類も複雑化しています。快適な車内空間を実現するためには、様々な種類の雑音に対応できる対策を施すことが必要不可欠です。高い電圧を遮断する部品の設置や、雑音の影響を受けにくい回路の設計など、様々な工夫が凝らされています。