ノーズダイブ

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駆動系

リーディングアーム式サスペンション:特徴と利点

車両の重さを支え、路面からの衝撃を吸収する装置、それを私たちは「懸架装置」、あるいは「サスペンション」と呼びます。数あるサスペンションの種類の中でも、今回は「リーディングアーム式サスペンション」について詳しく見ていきましょう。 リーディングアーム式サスペンションは、車軸を支えるための腕(アーム)が車体前方に向けて伸びているのが大きな特徴です。この腕は、後方に位置する支点を中心に回転するように取り付けられています。まるでブランコを後ろから吊り下げているような構造を想像してみてください。このシンプルな構造こそが、リーディングアーム式サスペンションの最大の特徴と言えるでしょう。 古くから様々な車種で採用されてきた歴史を持ち、特にフランスの自動車メーカーであるシトロエンが、前輪に独立懸架として採用したことで広く知られるようになりました。独立懸架とは、左右の車輪が独立して動くことで、片側の車輪が受ける衝撃がもう片側に伝わりにくい構造のことです。シトロエンは、このリーディングアーム式サスペンションを前輪に採用することで、優れた乗り心地を実現しました。 現在では、採用されている車種は限られていますが、特定の環境下では大きな利点を発揮します。例えば、悪路での走破性や、高速走行時の安定性などです。シンプルな構造のため、部品点数が少なく、製造費用を抑えることができる点もメリットです。また、車軸の位置決めが容易なため、車両の操縦安定性を高める上でも有利です。 このように、リーディングアーム式サスペンションは、シンプルな構造ながらも様々な利点を持つ、興味深いサスペンション形式と言えるでしょう。
車の構造

ダブルトレーリングアーム式サスペンション:乗り心地と操縦性の両立

車は、路面からの様々な衝撃を受けながら走っています。これらの衝撃を吸収し、乗員に快適な乗り心地を提供するために、サスペンションという仕組みが備わっています。その中でも、「二本の腕で支える仕組み」、つまりダブルトレーリングアーム式サスペンションは独特な構造をしています。 このサスペンションは、名前の通り二本の腕を使ってタイヤを支えています。この腕のことをトレーリングアームと呼び、車体の後ろに向かって斜めに伸びています。まるで腕のように、車体とタイヤを繋ぐ役割を果たしているのがこのトレーリングアームです。トレーリングアームにはばねと緩衝器が取り付けられています。ばねは路面からの衝撃を吸収し、緩衝器はばねの動きを抑制することで、車体が大きく揺れるのを防ぎます。ダブルトレーリングアーム式サスペンションでは、このトレーリングアームが上下に二本配置されています。二本あることで、路面からの衝撃をより効果的に吸収し、滑らかな乗り心地を実現しています。 また、二本のトレーリングアームはタイヤの位置を正確に保つ役割も担っています。タイヤの位置がしっかり決まることで、ドライバーの操作に対する車の反応が正確になり、安定した走行につながります。カーブを曲がるときや、でこぼこ道を走るときでも、タイヤがしっかりと路面を捉え、優れた操縦性を発揮します。 このように、ダブルトレーリングアーム式サスペンションは、二本のトレーリングアームを巧みに配置することで、乗り心地と操縦性の両方を向上させる、優れたサスペンション機構と言えるでしょう。
機能

快適な乗り心地:アンチダイブの仕組み

車を運転していると、ブレーキを踏むと同時に、車が前のめりになる感覚を覚えたことはありませんか? これは「前のめり現象」と呼ばれるもので、特に急ブレーキをかけた時に顕著に現れます。 この現象は、車が停止しようとする力と、乗員や荷物を含めた車体全体の慣性の力が拮抗することで起こります。ブレーキをかけると、タイヤと路面との摩擦によって車が減速しようとしますが、慣性によって車体全体は動き続けようとするため、車の前部分が下に沈み込むのです。 この前のめり現象は、単に乗車している人に不快感を与えるだけではありません。前のめり現象が起きると、前輪に大きな負担がかかります。タイヤの接地圧が不均等になり、後輪のグリップ力が弱まるため、思ったようにブレーキが効かなくなる可能性があります。特にスピードが出ている時は、ハンドル操作が難しくなるなど、危険な状態に陥る可能性も高まります。 そのため、最近の車には、この前のめり現象を抑えるための様々な工夫が施されています。例えば、ブレーキの力を前輪と後輪に適切に配分する装置や、サスペンション(ばね装置)の改良などです。これらの技術によって、急ブレーキ時でも車体の姿勢を安定させ、安全性を高めることが可能になっています。急ブレーキはなるべく避けたいものですが、万が一の急ブレーキ時にも安全に減速できるよう、日頃から車の状態を点検しておくことが大切です。