ハイテン材

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車の構造

車の骨格:リヤサイドメンバーの役割

車の後部、荷物の置く場所の下に左右一つずつ備え付けられているのがリヤサイドメンバーです。これは人の背骨のように、車体の後ろ側を支える大切な骨組みです。普段は目に触れることが少ない部品ですが、安全な走りや乗り心地、車の寿命に大きく関わっており、まさに陰で活躍する重要な部品と言えるでしょう。 リヤサイドメンバーは、荷物の置く場所の床下を前後に走るように取り付けられており、後ろの車輪を支える部品や、後ろの衝突から守る部品など、様々な部品と繋がっています。そのため、走っている時に生まれる揺れや衝撃、また、後ろからぶつかってきた時の衝撃をうまく吸収したり、分散したりする大切な役割を担っています。さらに、車体が捻じれるのを防ぎ、安定した運転を助ける働きもしています。例えば、デコボコ道やカーブを曲がるとき、車体は捻じれようとする力を受けますが、リヤサイドメンバーはこの力をうまく分散し、車体の安定性を保つのに役立っています。 近年では、車体を軽くすることが燃費の向上に繋がるため、軽くて丈夫な材料が使われることが増えています。具体的には、高張力鋼板と呼ばれる、薄い鉄板でありながら高い強度を持つ材料がリヤサイドメンバーにも採用されています。また、車種によっては、さらに軽量なアルミニウム合金などの材料を使用している場合もあります。このように、リヤサイドメンバーは車の性能を左右する重要な部品の一つであり、材料の進化や設計の工夫によって、より安全で快適な車の実現に貢献しています。
安全

衝突安全性:乗員を守るクルマ構造

車がぶつかった時に、中に乗っている人がどれくらい安全でいられるかを示すのが衝突安全性、いわゆるぶつかりにくさです。事故は正面からぶつかるだけでなく、後ろから、横から、斜めから、あるいは一部分だけがぶつかるなど、様々な形で起こります。そのため、様々な衝突の場面を想定して、乗っている人の安全な空間を守るための技術開発が盛んに行われています。最近の車は、ただ頑丈なだけでなく、ぶつかった時の衝撃をうまく吸収して、乗っている人への負担をできるだけ少なくするような工夫が凝らされています。 車が何かにぶつかった時の力は非常に大きく、この力をうまく逃がすことが重要です。衝撃を車全体に分散させることで、乗っている人たちがいる空間の変形を小さく抑え、安全を守ることができます。具体的には、車体の前後の部分をつぶれやすくすることで、衝突のエネルギーを吸収する構造になっています。また、車内には、シートベルトやエアバッグなど、乗っている人を保護する安全装置が備えられています。シートベルトは、衝突時に体が投げ出されるのを防ぎ、エアバッグは、頭や胸部への衝撃を和らげます。これらの装置が連動することで、乗員へのダメージを最小限に抑えることができます。 さらに、近年では、歩行者など車外の人への安全にも配慮した設計が求められています。ボンネットを高くしたり、バンパーの形状を工夫したりすることで、歩行者との衝突時に衝撃を緩和する工夫がされています。衝突安全性は、車を選ぶ上で重要な要素の一つです。様々な衝突試験の結果などを参考に、安全性の高い車を選ぶようにしましょう。車を作る会社は、より安全な車を作るために、常に新しい技術の開発に取り組んでいます。技術の進歩とともに、車の安全性はますます向上していくでしょう。
車の構造

車の骨格:フロントサイドメンバー

{車の骨組みである車体には、頑丈な土台が必要です。その土台となるのが、前部の左右に配置された前横骨です。ちょうど家の土台と同じように、車全体をしっかりと支える重要な役割を担っています。 前横骨は、走行中の振動や車体の歪みを抑え、安定した走りを実現するために欠かせません。もし、この前横骨がなければ、車は路面の凹凸やカーブの遠心力などで容易に歪んでしまい、快適な運転は難しくなります。また、ハンドル操作への反応も悪くなり、安全な運転にも支障をきたすでしょう。 さらに、前横骨は衝突安全の面でも重要な役割を果たします。万が一の衝突事故の際、前横骨は最初の防御壁となります。強い衝撃を受けても、前横骨が衝撃エネルギーを吸収・分散してくれるため、車室の変形を最小限に抑え、乗員の安全を守ることができるのです。 前横骨の素材や形状は、車の種類や設計思想によって様々です。一般的には、強度と軽さを両立させるために、高張力鋼板やアルミニウム合金などが用いられます。また、断面形状も、箱型やハット型など、強度と軽量化を追求した設計がされています。 普段は目に触れることはありませんが、前横骨は車の安全性と走行性能を支える縁の下の力持ちと言えるでしょう。