ハンドル操作

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運転

据え切り:その功罪

車を停めたままハンドルを切る操作、いわゆる据え切りは、限られた場所での車の動きを大きく左右する、なくてはならない技術です。車庫入れや狭い道での転回など、まさに運転の腕の見せ所と言える場面で、その真価を発揮します。 例えば、縦列駐車を考えてみましょう。限られたスペースに車を滑り込ませるには、何度も切り返すのは避けたいものです。そこで据え切りが役に立ちます。停まった状態でハンドルを適切に切ることで、車の向きを微調整し、少ない切り返し回数でスムーズに駐車できるのです。 また、袋小路に入ってしまった時など、方向転換が必要な場面でも据え切りは必須です。切り返すスペースがない場合でも、据え切りを駆使することで、その場で180度回転し、来た道を戻ることができます。 さらに、据え切りは車の向きを変えるだけでなく、内輪差を小さくする効果もあります。内輪差とは、旋回時に前輪と後輪が描く円弧の半径の差のことです。ハンドルを大きく切った状態から動き出すと、内輪差が大きくなり、後輪が予想以上に内側を通ってしまいます。これは、縁石や壁に接触する危険性を高めます。据え切りで予めハンドルを切っておくことで、内輪差を小さくし、より安全に旋回を開始できるのです。 このように、据え切りは、日常の運転、特に狭い場所での車の取り回しにおいて、スムーズな操作を実現し、安全性を高める重要な役割を果たしています。運転技術を磨く上で、ぜひとも習得したい技術の一つと言えるでしょう。
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ハンドルとられの謎を解く

車を操る上で、自分の思った通りに動かすことは、安全で心地よい運転に欠かせません。しかし、運転手の意思に反してハンドルが動いてしまう「ハンドルとられ」という現象が起こることがあります。これは単に運転しにくいだけでなく、事故につながる危険もあるため、原因と対策を知っておくことが大切です。ハンドルとられは、様々な要因で起こります。例えば、タイヤの空気圧が左右で違っていたり、タイヤの種類が混ざっていたりすると、片方のタイヤだけが路面にしっかり接地しなくなり、ハンドルがとられることがあります。また、路面の傾斜やわだち、横風などもハンドルとられの原因となります。道路のくぼみや段差に乗り上げた時にも、ハンドルが急に取られることがあります。さらに、車の部品の不具合も原因の一つです。サスペンションやステアリングシステムの不調、ブレーキの片効きなどもハンドルとられを引き起こす可能性があります。これらの原因に対策するためには、日頃から車の点検整備をしっかり行うことが重要です。タイヤの空気圧は定期的にチェックし、左右均等になるように調整しましょう。タイヤの種類もできるだけ揃えることが望ましいです。また、運転中は常に路面状況に注意を払い、わだちや傾斜、横風などの影響を受けにくい速度と車間距離を保つことが大切です。道路のくぼみや段差に乗り上げた場合は、ハンドルをしっかりと握り、急ハンドルや急ブレーキを避けて落ち着いて対処しましょう。もし、ハンドルとられが頻繁に起こる場合は、車の部品に不具合が生じている可能性があります。速やかに整備工場で点検してもらい、必要な修理を行いましょう。ハンドルとられは、安全運転を脅かす危険な現象です。日頃の点検整備と運転時の注意を怠らず、安全で快適なドライブを楽しみましょう。