バイオ燃料:車の未来を拓く
植物から生まれた燃料は、太陽の光を浴びて育つ植物や藻類を原料としています。これらの生き物は、光合成によって太陽の力を自らの体の中に蓄えています。この蓄えられた力を、わたしたちが使うための燃料に変えたものが植物由来の燃料です。
植物由来の燃料の原料は様々です。甘い汁を持つサトウキビや、粒々がぎっしり詰まったトウモロコシなどのでんぷん質の作物。それから、大豆や菜種といった油を多く含む作物も使われます。さらに、木や稲わらといった、植物の体を支える硬い繊維も原料となります。
これらの原料を、微生物の働きを利用して分解したり、特殊な方法で化学変化させたりすることで、燃料が作り出されます。サトウキビやトウモロコシからは、お酒にも含まれるアルコールの一種ができます。大豆や菜種からは、軽油によく似た植物性の油が作られます。木や稲わらからも、様々な方法で燃料が作り出されています。
植物由来の燃料は、石油や石炭といった地中から掘り出す燃料とは異なり、くり返し作り出すことができるという特徴があります。植物は太陽の光と水、土があれば育つため、燃料を作り続けていくことができるのです。また、植物由来の燃料を使うと、地中から掘り出す燃料を使う場合に比べて、空気を汚す物質を減らすことができると期待されています。そのため、地球環境への負担が少ない未来の燃料として注目を集めているのです。