縁の下の力持ち:パワテイクオフ
{普段私たちが街中で見かける乗用車は、エンジンの力が主に車輪を動かすために使われています。}しかし、トラックやバス、工事現場で活躍する建設機械、火災現場に駆けつける消防車など、特殊な仕事をする車には、エンジンの力を使って車輪以外も動かす必要がある場合が多くあります。その際に重要な役割を果たすのが「動力取り出し口」、略して動力取出し口と呼ばれる装置です。
動力取出し口は、エンジンの回転する力を別の装置に伝えるための仕組みです。この仕組みのおかげで、エンジンの力は様々な用途に活用できます。例えば、トラックの荷台を高く持ち上げるクレーン、道路のゴミを掃き集める清掃車のブラシ、セメントなどを混ぜ合わせるコンクリートミキサー車の回転するドラムなどを動かすことができます。これらの装置は、動力取出し口を通じてエンジンの力をもらっているのです。
動力取出し口には、様々な種類があります。エンジンの回転を直接伝えるもの、ギアを使って回転の速さや向きを変えるものなど、用途に合わせて最適なものが選ばれます。また、安全に動力を伝えられるように、クラッチという動力の接続を切る仕組みが備わっているものもあります。これにより、装置の誤作動を防いだり、故障時の被害を最小限に抑えたりすることができます。
普段はあまり目ににすることはありませんが、動力取出し口は特殊な車両には欠かせない重要な装置です。縁の下の力持ちとして、私たちの生活を支える様々な車両の多様な働きを可能にしているのです。