ピトー管

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車の開発

車の速度計測:ピトー管の役割

車は、どれくらい速く走っているのかを瞬時に教えてくれる計器が付いています。この計器のおかげで、私たちは安全に運転することができます。この速さを測る仕組みは、実は空気の力を使っています。 空気には、目には見えませんが力があります。この力を利用して速さを測る道具に、ピトー管と呼ばれるものがあります。ピトー管は、先端が開いた管を、空気の流れに真正面から向けて設置します。車が走ると、この管の中に空気が入ってきます。車が速く走れば走るほど、管の中に入る空気の力も強くなります。この空気の力の変化を読み取って、速さを測るのです。 ピトー管の先端部分は、常に空気の流れが真正面から当たる位置に配置されます。もし、斜めに配置されてしまうと、正確な空気の力を測ることができません。このピトー管は、フランスの科学者、アンリ・ピトーによって考え出されました。空気の力を正確に測る、画期的な発明でした。 ピトー管で測られる空気の力は、静圧と動圧という二つの力の合計です。静圧とは、空気が静止しているときの力、動圧とは、空気が動いていることで生まれる力です。車は停止しているときは動圧はゼロですが、走り出すと動圧が発生します。車が速く走れば走るほど、この動圧は大きくなり、ピトー管で測られる空気の力も大きくなります。この力の変化を計算することで、車の速さを正確に知ることができるのです。
車の開発

車の動きと空気の力

車は走る時、常に空気の壁にぶつかっています。この見えない壁との戦いは、速度が上がるほど激しくなり、燃費や快適な走りに大きな影響を与えます。空気の抵抗を減らすことは、車をより効率的に、そして快適に走らせるための重要な課題です。 まず、車の前面を見てみましょう。空気は、まるで川の流れのように車にぶつかります。この時、前面の形状が滑らかであれば、空気はスムーズに左右に分かれ、抵抗を少なくすることができます。逆に、ごつごつとした形状であれば、空気の流れが乱れ、抵抗が大きくなってしまいます。まるで、岩にぶつかる水の流れのように。 次に、車体の下側を見てみましょう。ここは、普段あまり目にすることはありませんが、空気抵抗を考える上で重要な部分です。車体の下を流れる空気は、車体を地面に吸い付ける力を生み出します。これをうまく利用することで、高速走行時の安定性を高めることができます。車体底面を平らにすることで、空気の流れをスムーズにし、この力を効果的に発生させることができるのです。 さらに、車の後方の形状も重要です。空気は車体を通り過ぎた後、再び一つにまとまろうとします。この時、後方の形状が適切であれば、空気の流れがスムーズになり、抵抗を減らすことができます。逆に、後方の形状が不適切であれば、空気の渦が発生し、抵抗が大きくなってしまいます。 このように、車の形は、空気との戦いを少しでも有利にするために、様々な工夫が凝らされています。空気の流れをコンピューターでシミュレーションしたり、風洞と呼ばれる実験施設で模型を使って空気抵抗を測定したりすることで、より空気抵抗の少ない、燃費の良い、そして走行性能の高い車を作り出す努力が続けられています。