ファンドルネ

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駆動系

ファンドルネ式変速機:革新的な無段変速機構

ファンドルネ式変速機は、金属製の帯を用いた独創的な仕組みで、滑らかで無駄のない変速を実現しています。この変速機の特徴である金属製の帯は、多数の金属片をつなぎ合わせた構造で、高い強度と柔軟性を兼ね備えています。 変速機の中には、駆動プーリーと被駆動プーリーと呼ばれる円錐状の部品が向かい合って配置されています。これらのプーリーは、油圧の力で径が変化します。プーリーの径が変化すると、金属製の帯の巻き付く位置が変わり、駆動プーリーと被駆動プーリーの回転比が連続的に変化します。これにより、段階を踏むことなく滑らかに変速することが可能になります。 従来の歯車式変速機では、歯車を切り替える際にどうしても段差が生じていましたが、この機構ではその段差がありません。そのため、加速が非常に滑らかになります。まるで水の流れのように、速度が変化していく感覚です。また、エンジンの回転数を最適な状態に保つことができるため、燃費の向上にも大きく貢献します。 さらに、この金属製の帯は、高い耐久性を誇ります。長期間の使用に耐えうる強度を持つため、メンテナンスの手間も軽減されます。この革新的な機構は、快適な運転と環境性能の両立を追求した、まさに未来志向の技術と言えるでしょう。
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革新的な無段変速機:バリオマチック

かつて、自動車の変速装置といえば、段階的に歯車を切り替える仕組みが一般的でした。手動で操作する手動変速装置や、自動で切り替わる自動変速装置など、いずれも歯車を用いたものでした。しかし、1960年代、オランダのダッフォモビル社が画期的な変速装置を生み出しました。それが、ゴム製のベルトを使った無段変速装置「バリオマチック」です。 このバリオマチックは、従来の歯車式とは全く異なる仕組みを採用していました。ゴムベルトと、直径を変えることができる滑車を用いることで、滑らかに変速比を調整することを可能にしたのです。歯車を切り替える必要がないため、変速時のショックがなく、非常に滑らかな加速を実現しました。まるで水の流れのように、速度が変化していく感覚です。また、エンジンの回転数を常に最適な状態に保つことができるため、燃費の向上にも大きく貢献しました。 バリオマチックの登場は、自動車の変速装置技術における大きな進歩となりました。滑らかで心地よい運転体験を提供するだけでなく、燃費効率を高めることで経済性にも優れていました。この革新的な技術は、その後の自動車開発に大きな影響を与え、様々な自動車メーカーが無段変速装置の開発に取り組むきっかけとなりました。現在も、改良を重ねながら様々な車種に搭載され、快適な運転を支えています。まさに、自動車の歴史に新たな時代を切り開いた技術と言えるでしょう。