フライホイールマグネトー:小さなエンジンの心臓部
小型原動機にとって欠かせない装置、フライホイール磁石発電機。その働きは、原動機の始動、点火、照明など多岐に渡ります。いわば小さな発電所のような役割を果たしているのです。
フライホイール磁石発電機の心臓部は、回転する円盤、フライホイールです。このフライホイールの外周には永久磁石が取り付けられています。原動機側に固定されたコイルの近くをフライホイールが回転すると、磁石とコイルの位置関係が変化し、磁力の強弱が生じます。この磁力の変化こそが、電気を生み出す源なのです。
磁石がコイルに近づくにつれて、磁力は強くなります。反対に、磁石がコイルから遠ざかるにつれて、磁力は弱まります。この磁力の強弱の変動がコイルに電流を発生させる仕組みです。自転車のライトに用いられる発電機とよく似た原理といえば、分かりやすいでしょう。自転車のライトの場合、タイヤの回転が発電機の磁石を回し、その磁力の変化によってライトが点灯します。フライホイール磁石発電機も同様に、原動機の回転を利用して電気を生み出しているのです。
構造が単純で小型という利点から、フライホイール磁石発電機は様々な小型原動機機器に搭載されています。例えば、芝刈り機や鎖鋸、小型自動二輪車など、私たちの身の回りで活躍する多くの機器に組み込まれ、その性能を支えています。小型で強力な電源として、なくてはならない存在と言えるでしょう。