フルバンプ

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車の構造

乗り心地とバンプストローク

車は道路を走る時、路面の凸凹によって上下に揺れます。この上下運動をうまく調整することで、乗り心地と安定した走行を両立させることができます。 この上下運動に深く関わるのが「バンプストローク」です。バンプストロークとは、車輪が路面の突起などで上に押し上げられた際に、どこまで動けるかを示す設計上の大切な値です。分かりやすく言うと、車輪が通常の位置から、ばねが縮みきった状態までの動ける範囲のことです。 一般的な乗用車では、このバンプストロークは70ミリメートルから120ミリメートルほどに設定されています。しかし、この値は車種や用途によって変わってきます。速い動きが求められるスポーツカーでは、この範囲を短く設定することで、車体の傾きを抑え、安定した走行を実現しています。逆に、デコボコ道を走るオフロード車では、この範囲を長くすることで、車輪が大きく動いてもばねが縮みきらず、タイヤが地面を捉え続けることができます。これにより、悪路でも安定した走行が可能になります。 バンプストロークが短すぎると、路面の衝撃が直接車体に伝わりやすく、乗り心地が悪化します。また、タイヤが地面から離れやすくなり、走行安定性も低下します。一方、バンプストロークが長すぎると、車体の揺れが大きくなり、ふらつきやすくなります。そのため、車種ごとに最適なバンプストロークを設定することが、快適な乗り心地と安定した走行性能を両立させる上で重要になります。 このように、バンプストロークは車の設計において重要な要素であり、車種ごとの特性に合わせて適切に設定されています。この見過ごされがちな部品の働きを知ることで、車への理解をより深めることができるでしょう。
車の構造

乗り心地を守るバンプストッパー

車は様々な部品が組み合わさって動いていますが、その中には縁の下の力持ちのような部品も数多く存在します。例えば、路面の凹凸から車体や乗員を守る緩衝装置であるサスペンション。これは、バネとショックアブソーバーと呼ばれる部品が組み合わさって構成されており、路面からの衝撃を吸収する重要な役割を担っています。しかし、時として大きな段差を乗り越える時や、急ブレーキを踏んだ時など、サスペンションが縮みきる程の大きな力が加わる場合があります。このような場合に、サスペンションの動きを制限し、車体や部品の損傷を防ぐのがバンプストッパーです。 バンプストッパーは、主にゴムやウレタンといった素材で作られた部品で、サスペンションが限界まで縮んだ際に、車体とサスペンション部品が直接ぶつかり合うのを防ぎます。もしバンプストッパーが無ければ、金属同士が直接衝突し、車体に大きな損傷を与えてしまう可能性があります。また、乗員にも激しい衝撃が伝わり、怪我をする危険性も高まります。バンプストッパーはいわば安全装置であり、乗員を危険から守る守護神の様な存在と言えるでしょう。 バンプストッパーの働きによって、不快な突き上げ感や振動が抑えられ、乗り心地も向上します。急ブレーキをかけた際に、車が前のめりになりすぎるのを防ぐ効果もあり、走行安定性にも貢献しています。 このようにバンプストッパーは、普段は目立たない小さな部品ですが、車の安全性能や乗り心地を確保するために重要な役割を果たしています。大きな衝撃から車体を守り、乗員の安全を守るという重要な任務を静かに、そして確実に果たす、まさに縁の下の力持ちと言えるでしょう。
車の構造

フルバンプ:車の限界状態を知る

車は、道を走っている間、常に路面の unevenness(でこぼこ)の影響を受けて上下に揺れています。この揺れをうまく調整し、乗っている人に快適な乗り心地を提供し、また、車が安全に走行できるようにしているのが、「懸架装置」と呼ばれる仕組みです。 この懸架装置は、主に「ばね」と「減衰器」という二つの部品からできています。「ばね」は、路面からの衝撃を吸収する役割を担っています。でこぼこ道を走るときに、ばねが縮んだり伸びたりすることで、衝撃をやわらげます。もう一つの部品である「減衰器」は、「ばね」の動きを制御する役割を担っています。ばねだけでは、一度衝撃を受けると、びよんびよんといつまでも揺れ続けてしまいます。「減衰器」は、この揺れを抑え、速やかに車の動きを安定させる働きをします。 「満縮み」とは、この懸架装置が最も縮んだ状態のことを指します。大きな段差を乗り越えたり、状態の悪い道を勢いよく走ったりすると、車輪が大きく上に突き上げられます。このとき、懸架装置の「ばね」は限界まで縮み、「満縮み」の状態になります。普段、道を普通に走っている時には、滅多に起こることではありません。しかし、この「満縮み」の状態になると、車体には大きな衝撃が伝わり、乗り心地が悪くなるだけでなく、車の動きにも大きな影響を与えます。 「満縮み」は、車の設計において重要な要素です。というのも、「満縮み」の状態になったときに、車がどのように動くのかを予測し、適切な対策を施しておく必要があるからです。例えば、「満縮み」によって車が制御を失わないように、懸架装置の設計を工夫したり、車体の強度を高めたりする必要があります。また、「満縮み」の状態を想定した試験を行い、安全性を確認することも重要です。