プラグのかぶり

記事数:(1)

エンジン

車の再始動性:スムーズなエンジンの再始動のために

車を走らせるために欠かせないのが、エンジンを始動させることです。このエンジンを一度止めてから、再び動かす時のスムーズさを再始動性と言います。普段の気温で、いつものように車を走らせている分には、エンジンを止めて少し時間を置いてから再び始動させても、特に問題はありません。 しかし、夏の暑い時期に長い時間走ったり、山の上のような空気の薄い場所で車を走らせたりすると、エンジンには大きな負担がかかります。このような状況で車をしばらく停めておくと、エンジンルームや燃料を入れるタンクの周りの温度が上がります。すると、エンジンが吸い込む空気の温度も上がり、燃料が気体になりやすくなります。この時、燃料が通る管の中に空気の泡ができてしまうことがあります。その結果、エンジンを始動させる時に燃料が必要以上にエンジンに送られてしまい、エンジン内部の空気と燃料の混合気が濃くなりすぎて、エンジンがかかりにくくなることがあります。これが、高温の環境での再始動性の問題です。 反対に、寒い地域では、エンジンが十分に温まっていない状態でエンジンを何度も止めたり、動かしたりすると、燃料がうまく気体になれず、液体のままエンジンの中に送られてしまいます。そのため、エンジンが始動しにくくなることがあります。これは、いわゆるプラグのかぶりや濡れと呼ばれる現象です。 このように、周りの気温や使っている燃料の気体になりやすさが、再始動性に大きく影響します。ですから、様々な環境でいつでもスムーズにエンジンが始動するように、自動車を作る会社は様々な工夫を凝らしています。