乗り心地と操縦安定性に効く!ホイールストロークとは?
車のタイヤは、常に路面と接していることが理想です。しかし、現実の道路は平坦ではなく、大小さまざまな起伏が存在します。そこで重要な役割を果たすのがホイールストロークです。ホイールストロークとは、サスペンションによってタイヤが上下に動ける範囲のことを指します。
この範囲が広いと、どうなるのでしょうか。まず、路面の凹凸をしっかりと吸収できます。大きな段差や穴を通過しても、タイヤは路面を捉え続け、乗員が感じる振動や衝撃は軽減されます。まるで魔法のじゅうたんに乗っているかのような、快適な乗り心地が実現するのです。また、四輪がしっかりと路面を捉えることで、ハンドル操作への反応も向上し、思い通りの運転がしやすくなります。カーブや車線変更もスムーズになり、安定した走行が可能になります。
反対にホイールストロークが狭い車は、どうなるのでしょうか。小さな段差でもタイヤが跳ねやすく、乗員は不快な振動を体感することになります。まるで荷馬車に乗っているかのような、ガタガタとした乗り心地になってしまうかもしれません。さらに、タイヤが路面から離れてしまう危険性も高まります。タイヤが宙に浮いてしまうと、ハンドル操作やブレーキが効かなくなり、大変危険な状態に陥ってしまいます。
このように、ホイールストロークは乗り心地だけでなく、安全な走行にも深く関わっています。自動車メーカーは、車の用途や特性に合わせて最適なホイールストロークを設定し、乗員にとって安全で快適な車作りに取り組んでいます。タイヤがどれだけ上下できるかという、一見単純な要素が、快適性と安全性を左右する重要な鍵を握っているのです。