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エンジン

B重油:工場の動力源

原油から揮発油や灯油などを抽出した後に残るのが、どろりとした液体燃料である重油です。この重油は、流れにくさを示す粘度によって大きく三つの種類に分けられます。流れにくいものほど粘度が高いと表現され、水飴のように糸を引く様子を思い浮かべると分かりやすいでしょう。重油の種類は、粘度が低い方から順にA重油、B重油、C重油と呼ばれています。 A重油は三種類の中で最も粘度が低いのが特徴です。比較的サラサラとしているため、小型のボイラーや焼却炉など、小規模な設備で使用されることが多いです。また、粘度が低いことで取り扱いが容易である点もメリットです。 B重油は、A重油とC重油の中間の粘度を持っています。A重油よりも粘度が高く、C重油よりは低いという特性から、中規模の工場やビルなどのボイラー、あるいは大型の温水発生装置などで利用されています。A重油とC重油の中間的な性質を持つため、幅広い用途に対応できる点が強みです。 C重油は三種類の中で最も粘度が高い重油です。どろどろとしていて流れにくいため、そのままでは使用が難しく、予熱して粘度を下げる必要があります。大型船舶のエンジンや大規模な工場のボイラーなど、大きな出力が必要な設備で主に使用されます。高い粘度ゆえに取り扱いは難しいものの、他の重油と比べて価格が低いという利点があります。 このように、重油は粘度によってA重油、B重油、C重油の三種類に分類され、それぞれの特性に合わせて様々な場所で利用されています。使用する設備の規模や出力、そしてコストなどを考慮して、適切な重油を選ぶことが重要です。また、重油の粘度は温度によって変化するため、保管や使用時には温度管理にも注意が必要です。温度が高いほど粘度は低くなり、低いほど高くなることを覚えておきましょう。