ポジションセンサー

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駆動系

四駆を支える縁の下の力持ち:ポジションセンサー

四輪駆動車は、様々な道路の状態に対応できるよう、前輪あるいは後輪だけの二輪駆動と全ての車輪を駆動させる四輪駆動、速い速度で走るための高速度走行と遅い速度で走るための低速度走行といった、動力の伝え方の切り替え機能を持っています。この切り替えは、運転席にある操作レバーで行いますが、このレバーがどの位置にあるかを正確に捉え、制御装置に伝えるのが位置センサーの役割です。位置センサーは、いわば四輪駆動の仕組みを操る司令塔の目となり、運転手の操作を仕組み全体に伝える重要な役割を担っています。 以前は、レバーの位置が二輪駆動か四輪駆動か、高速度走行か低速度走行かといった、いくつかの決まった位置にあるかを検知するだけでした。しかし、近年の電子制御が進んだ四輪駆動車では、単にレバーの位置を検知するだけでなく、もっと精密な制御を行うために、連続的に信号を出すセンサーが使われています。例えば、低速度走行と高速度走行の間の、より細かな速度域にも対応できるようになっています。 この連続的な信号により、運転手が意図した通りの動力の伝え方に確実に切り替えることが可能になり、でこぼこ道での走破性能や、安定した走行性能の向上に役立っています。また、故障診断にも役立ちます。位置センサーの情報がシステムに正しく伝わらないと、四輪駆動の切り替えがうまくできなくなったり、最悪の場合、走行中に予期せぬ切り替えが起こる可能性もあります。位置センサーは、四輪駆動車の安全な走行を支える、重要な部品の一つと言えるでしょう。