ポリオレフィン

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車の生産

車の未来を変える、プラズマ処理技術

車は、様々な部品が組み合わさってできています。これらの部品一つ一つが重要な役割を担っており、その中でも部品の表面処理は、車の性能や寿命に大きく影響します。表面処理は、部品の錆を防ぐだけでなく、強度を高めたり、見た目を美しくするなど、様々な効果をもたらします。 従来、表面処理には、薬品を使う方法や、金属の膜を張る方法などが広く使われてきました。しかし、近年、これらの方法に代わる新しい技術として、電気を使った処理方法が注目を集めています。電気を使った処理方法は、物質の第四の姿と言われる、光る気体を使って表面を加工する方法です。この光る気体の中には、小さな粒がたくさん含まれており、これらが部品の表面にぶつかると、表面の性質が変わります。 この電気を使った処理方法は、従来の方法に比べて多くの利点があります。まず、環境への負担が少ないことが挙げられます。従来の方法では、有害な薬品を使うこともありましたが、電気を使った処理方法では、そのような心配がありません。また、細かい部分まで均一に処理できるため、複雑な形状の部品にも適用できます。さらに、処理の温度が低いため、熱に弱い材料にも使用可能です。 この電気を使った処理方法は、既に一部の車の部品に採用されており、今後ますます普及していくと考えられます。この技術によって、より高性能で長持ちする車が作られるようになるでしょう。また、環境への負担が少ないことから、持続可能な社会の実現にも貢献することが期待されます。
車の生産

炎で素材を変える!火炎処理の秘密

私たちの身の回りにある、食品を包むものや入れ物、車の一部など、様々な物に使われているポリエチレンやポリプロピレン。これらは「ポリオレフィン」と呼ばれる仲間で、とても便利な素材です。しかし、本来くっつきにくい性質があるため、色を塗ったり、絵や文字を印刷したり、他の物とくっつけたりするのが難しいという困った点があります。これは、これらの素材を構成する小さな粒の並び方や繋がり方に原因があります。粒同士がくっつき合う力が弱いため、塗料やインク、接着剤なども簡単にはくっつきません。 そこで、くっつきにくいポリオレフィン素材を加工しやすくするために、様々な工夫が凝らされています。その代表的な方法の一つが「火炎処理」です。名前の通り、素材の表面に直接炎を当てることで、表面の性質を変化させる技術です。炎の熱によって、素材の表面が空気中の酸素と結びつき、くっつきやすい状態に変化します。まるで、くっつきにくい表面に、小さな手のようなものがたくさん生えてくるイメージです。この小さな手のおかげで、塗料やインク、接着剤などがしっかりとくっつくようになります。 一見すると、炎を直接当てるという大胆な方法に思えますが、実はとても精密な技術です。炎の温度や当てる時間などを細かく調整することで、素材の表面をちょうど良い状態に変化させることができます。この火炎処理は、車のバンパーの塗装や、食品包装用のフィルムへの印刷など、様々な場面で活躍しています。比較的簡単な装置で処理できるため、費用を抑えられる点も大きな利点です。火炎処理は、くっつきにくいポリオレフィン素材を様々な用途で使えるようにする、なくてはならない重要な技術と言えるでしょう。