メタルガスケット:エンジンの心臓を守る堅牢なシール
エンジン内部で、冷却水や油、燃焼ガスなどが漏れないように、部品と部品の隙間を塞ぐ重要な部品に、金属製の詰め物があります。薄い金属の板を何枚か重ねて作られており、金属詰め物と呼ばれています。一枚の金属板を複雑に折り曲げて作ることもありますが、主流は薄い錆びにくい鋼の板を何枚か重ねる方法です。鋼詰め物とも呼ばれ、多くの場合、2枚または3枚の板を重ねて作られています。
構造としては、真ん中に平らな板を挟み、その上下に縁を山のように盛り上げた板を重ねるのが一般的です。縁の山の部分は、珠のように見えることから、珠と呼ばれています。平らな板を珠付きの板で挟む構造も稀にありますが、主流ではありません。
金属詰め物の多くは、中央の平らな板と、上下の珠付きの板で構成されています。珠付きの板は、部品と部品の間に挟まれた時に、珠の部分だけが部品に接触します。これにより、面全体で圧力が分散されるのを防ぎ、珠の部分に高い圧力が集中します。この高い圧力によって、隙間をしっかりと塞ぎ、液体の漏れを防ぐことができるのです。まさに、エンジン内部の様々な液体の漏れを防ぐ、縁の下の力持ちです。エンジン内部の心臓部を守る、堅固な壁と言えるでしょう。