車のモックアップ:デザインの最終確認
模型は、車の開発にとってなくてはならない存在です。それは、設計図だけではわからない実物に近い形や大きさで完成予想図を立体的に表現したものだからです。模型には様々な種類があり、用途に合わせて使い分けられます。
まず、デザイン模型は、外観の美しさや全体の釣り合いを確認するために使われます。実物大で木や繊維強化プラスチックなどを使い、細部まで丁寧に作り込まれます。デザイナーは、この模型を様々な角度から見て、曲面の滑らかさや光の反射具合などをチェックし、より美しく、魅力的なデザインを追求します。
次に、車体模型は、部品の配置や組み立てやすさを検証するために使われます。こちらも実物大で、ドアの開閉や座席の配置、運転席からの視界などを確認できます。設計図上では気づかない問題点も、模型で確認することで早期発見・修正が可能になり、開発期間の短縮やコスト削減につながります。
さらに、艤装模型は、内装部品の配置や操作性を確認するために使われます。ハンドルや計器類、各種スイッチなどが、運転席から無理なく操作できるか、使いやすい配置になっているかなどを検証します。乗る人の快適性や安全性を向上させる上で重要な役割を果たします。
このように、模型は、様々な段階で活用され、完成度を高めるために欠かせない存在です。また、経営陣やお客様に完成予想図を伝えるためのプレゼンテーションツールとしても役立ちます。模型があることで、具体的なイメージを共有し、よりスムーズな意思疎通が可能になります。製品としての機能はありませんが、車作りを支える重要な役割を担っていると言えるでしょう。