車の製造に欠かせないモールド技術
車の様々な部品を作るには、型が欠かせません。型の種類によって、作れる部品の形や大きさ、そして作る速さや手間が変わってきます。大きく分けて、一つの部品だけを作る単型、一度にたくさんの部品を作る複型、複雑な形の部品を作る分割型の三種類があります。
単型は、単純な形の部品を作るのに向いています。例えば、ドアの取っ手や窓の枠などです。一つの型で一つの部品だけを作るので、型の構造は簡単で、大量生産に向いています。しかし、複雑な形の部品は作れません。
複型は、一度にたくさんの部品を作れるので、生産の効率を上げたい時に役立ちます。例えば、ボルトやナットなどの小さな部品を一度にたくさん作るのに使われます。一度にたくさんの部品が作れるので、単型で作るよりも早くたくさんの部品を作ることができます。しかし、作れる部品の形は単純なものに限られます。
分割型は、複雑な形の部品を作るのに使われます。例えば、エンジン部品や車体の一部などです。型を複数のパーツに分割することで、複雑な形や模様を部品に付けることができます。分割型は、他の型では作れないような複雑な形の部品を作ることができます。しかし、型の構造が複雑で、作るのにも時間がかかります。
型の材料も、部品によって様々です。金属の型、樹脂の型、ゴムの型などがあり、作る部品の材料や形、必要な精度によって使い分けられます。硬い材料でできた部品を作るには金属の型、柔らかい材料でできた部品を作るには樹脂やゴムの型が使われます。このように、材料と型の組み合わせによって、車に必要な様々な部品を効率良く作ることができるのです。