ヨーロッパ

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組織

クルマの安全を守る縁の下の力持ち:ETRTO規格

車を安全に走らせるためには、タイヤの規格を理解することが欠かせません。タイヤは車の唯一路面と接する部分であり、その性能は安全性に直結します。タイヤの規格とは、大きさや性能、安全性を定めたもので、世界各国で様々な基準が存在します。 日本では、日本自動車タイヤ協会(JATMA)が規格を定めています。これは、国内で販売されるタイヤの品質と安全性を確保するための重要な役割を果たしています。一方、ヨーロッパではヨーロッパタイヤリム技術機構(ETRTO)が規格を定めています。ETRTOは、タイヤ、リム、バルブの製造業者で構成される団体で、ベルギーのブリュッセルに本部を置いています。 ETRTO規格は、ヨーロッパで車を認可申請する際の判断基準となっており、車の重さなどを設定する際に重要な役割を果たします。この規格は、タイヤの幅、扁平率、リム径、荷重指数、速度記号などを規定しており、タイヤの性能を数値で表すことで、利用者が適切なタイヤを選択できるようにしています。例えば、タイヤの側面に「205/55R16 91V」と記載されていれば、「幅205mm、扁平率55%、リム径16インチ、荷重指数91(615kg)、速度記号V(時速240km)」という意味になります。 これらの数字や記号は、タイヤの性能や安全性を示す重要な情報であり、規格を理解することで、自分の車に合った適切なタイヤを選ぶことができます。タイヤの規格は複雑で分かりにくいものですが、安全な運転には欠かせません。タイヤを選ぶ際には、これらの規格を参考に、自分の車の特性や運転状況に合ったタイヤを選びましょう。また、定期的な点検や交換も忘れずに行い、常に安全な状態で運転できるように心がけましょう。タイヤの適切な選択と管理は、安全で快適な運転につながる第一歩です。
環境対策

燃費測定の国際基準:ECモードとは

自動車を取り巻く環境問題への意識が高まり、世界中で環境に優しい車の開発が進んでいます。地球の未来を守るためには、自動車の環境性能を高めることが大変重要です。特に排出ガスは、大気汚染の大きな原因となるため、各国で厳しい規制が設けられています。自動車メーカーは、これらの規制に対応するため、より環境に配慮した技術開発に力を入れています。 自動車の環境性能を測る指標として、よく知られているのが燃費と排出ガス量です。これらは、国際的に定められた方法で測定されます。測定方法にはいくつか種類があり、その一つにECモードと呼ばれるものがあります。ECモードは、ヨーロッパを中心に採用されている測定方法で、一定の速度変化と停止を含む走行パターンで測定を行います。この走行パターンは、ヨーロッパの道路状況を想定して作られており、市街地走行と郊外走行が組み合わされています。日本の燃費基準であるWLTCモードとは測定方法が異なるため、単純に数値を比較することはできません。WLTCモードは、より実走行に近い条件で測定を行うため、ECモードよりも厳しい基準となっています。 ECモードとWLTCモードの違いを理解することは、自動車の環境性能を正しく評価するために不可欠です。それぞれの測定方法の特徴を把握することで、カタログ値だけでなく、実際の走行状況における燃費や排出ガス量をより正確に推測することができます。また、自動車メーカーが発表する燃費データを見る際には、どの測定方法で得られた数値なのかを確認することが大切です。 消費者は、これらの情報に基づいて車選びを行い、地球環境保全に貢献することができます。自動車メーカーも、より正確な情報を提供することで、消費者の環境意識向上を促す役割を担っています。よりクリーンな車を選ぶことは、私たちの未来を守る上で、重要な選択となるでしょう。