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環境対策

排ガス浄化の鍵、触媒活性

排気ガスをきれいにする装置である触媒は、化学変化を促す働きを持ち、それ自身は変化しない不思議な性質を持っています。この働きを「触媒活性」と呼び、自動車の排気ガス対策において重要な役割を担っています。 触媒活性は、有害な排気ガスを無害な物質に変える働きを意味します。具体的には、排気ガスに含まれる、燃え残った燃料成分である炭化水素や、酸素が不足した時に発生する一酸化炭素を、酸素と反応させて水と二酸化炭素に変えます。また、高温で発生する窒素酸化物は、窒素と酸素に分解します。これらの化学変化は自然には起こりにくいのですが、触媒がこの変化を促すことで、有害物質を無害な物質に変えることができるのです。 触媒の中には、小さな穴が無数に空いた構造になっており、この構造が活性の高さを決める鍵となっています。この無数の小さな穴は、排気ガスと触媒の接触面積を広げる効果があり、化学変化をより効率的に進めることができます。ちょうど、細かく切った食材の方が早く火が通るように、触媒の表面積が大きいほど、排気ガス浄化の効率は高まるのです。 もし触媒活性が不十分であれば、排気ガス中に有害物質が多く残ってしまい、大気を汚染してしまいます。そのため、触媒の効率的な活性化が求められるのです。自動車の適切な整備や、適切な運転を心がけることで、触媒活性を高く維持し、きれいな空気を守ることができます。