ライドレート

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機能

乗り心地を決めるホイールレート

車は、路面の凸凹をタイヤで受け止め、その衝撃を乗員に伝えないようにするために、ばねと緩衝器(ショックアブソーバー)が備えられています。このばねの固さを表す数値が、ホイールレートです。ホイールレートとは、タイヤを上下させるのにどれだけの力が必要かを示す尺度で、正式にはホイール位置でのばね定数と言います。ライドレートとも呼ばれています。 具体的には、タイヤに加わる荷重の変化と、それに対するタイヤの上下動の比率で表されます。例えば、100キログラムの荷重変化でタイヤが1センチメートル上下するなら、ホイールレートは100キログラム毎センチメートルとなります。この値が大きいほど、タイヤは固くなり、小さな力では動きにくくなります。逆に値が小さいほど、タイヤは柔らかくなり、小さな力でも大きく動きます。 ホイールレートは、車の乗り心地や走行性能に大きく影響します。ホイールレートが高い、つまりばねが固いと、路面の凹凸を吸収しにくいため、乗り心地は悪くなりますが、車体の動きが安定し、高速走行時の安定性やコーナリング性能が向上します。一方、ホイールレートが低い、つまりばねが柔らかくなると、路面の凹凸を良く吸収するため乗り心地は良くなりますが、車体の動きが不安定になりやすく、高速走行時のふらつきやコーナリング時のロールが大きくなる傾向があります。 最適なホイールレートは、車の用途や特性、運転者の好みにより異なります。一般的に、高級車や快適性を重視する車では、低いホイールレートが採用されることが多いです。一方、スポーツカーや走行性能を重視する車では、高いホイールレートが採用される傾向があります。適切なホイールレートを設定することで、乗り心地と走行性能のバランスを最適化し、快適で安全な運転を実現することが重要です。