車の安定性とリヤオーバーハング
車の後輪軸中心から後端までの距離を後方突き出し量と言います。この突き出し部分は、車の見た目や様々な性能に大きな影響を与えます。後方突き出し量が大きいと、全長が長くなり、ゆったりとした印象を与えます。高級車や大型セダンなどでは、後部座席の居住空間を広げるため、あえて後方突き出し量を大きく設計する場合もあります。また、荷室の容量を確保するためにも、後方突き出し量の調整は重要です。例えば、ステーションワゴンやミニバンなどは、荷物をたくさん積めるように、後方突き出し量が長めに設計されています。
しかし、後方突き出し量が大きすぎると、車の回転半径が大きくなり、小回りが利かなくなるといったデメリットも生じます。狭い道での運転や駐車の際に苦労する場面も増えるでしょう。また、後方部分が重くなり、走行安定性に悪影響を与える可能性もあります。特に高速走行時やカーブでのふらつきに繋がる恐れがあるため、注意が必要です。
一方で、後方突き出し量が小さいと、スポーティーな印象を与えます。小回りが利き、軽快な走りを実現できる一方、後部座席や荷室の空間が狭くなる傾向があります。そのため、後方突き出し量は、車の用途やデザイン、走行性能など、様々な要素を考慮して最適な値に設定されます。最近では、車のデザインの多様化に伴い、後方突き出し量も重要なデザイン要素として捉えられています。後方部分が短く、スタイリッシュなデザインの車もあれば、後方部分を長く伸ばし、堂々とした印象を与える車もあります。このように、後方突き出し量は、車の見た目や使い勝手、走行性能に大きな影響を与えるため、車選びの際には、しっかりと確認することが大切です。