リヤサスペンション

記事数:(3)

車の構造

乗り心地と広さを両立!H型トーションビーム式サスペンション

自動車の後ろ側の車輪を支える仕組みである、後輪懸架装置には様々な種類がありますが、その一つにH型ねじり梁式後輪懸架装置があります。この装置は、名前の通り、ねじり梁と連れ去り腕がHの形に配置されているのが大きな特徴です。ねじり梁とは、左右の車輪を繋ぐ梁状の部品で、ねじれようとする力に対する反発力を利用して、ばねのように働く部品です。このねじり梁が、左右の連れ去り腕を繋ぐように配置され、H型を形成しています。連れ去り腕とは、車体と車輪を繋ぐ腕状の部品で、車輪の上下運動を制御する役割を担います。 H型ねじり梁式後輪懸架装置は、このH型の構造によって、幾つかの利点を持っています。まず、部品点数が少なく、構造が簡素なため、装置全体の重量を軽くすることができます。自動車の軽量化は、燃費の向上に大きく貢献します。次に、ねじり梁と連れ去り腕が一体となったH型の構造は、高い剛性を実現します。これは、車体のねじれを抑え、安定した走行性能に繋がります。また、左右の車輪がねじり梁で繋がれているため、片側の車輪が段差に乗り上げた時でも、もう片側の車輪にも影響が伝わり、車体の傾きを抑える効果があります。 これらの特徴から、H型ねじり梁式後輪懸架装置は、小型自動車や低価格帯の自動車を中心に広く採用されています。軽量でコンパクトな構造は、限られた空間を有効に活用できるため、小型自動車に適しています。また、製造コストを抑えることができるため、低価格帯の自動車にも多く採用されています。このように、H型ねじり梁式後輪懸架装置は、様々な利点を持つ、優れた後輪懸架装置と言えるでしょう。
車の構造

乗り心地と安定性を両立:カップルドビーム式サスペンション

車を支え、路面からの衝撃を吸収する上で欠かせない部品、それがサスペンションです。様々な種類がある中で、小さな乗用車によく使われているのが、カップルドビーム式サスペンションです。これは、車軸と車体を繋ぐ部品であるトレーリングアームと車軸を、ねじり棒という部品で繋いだ構造をしています。このねじり棒こそが、カップルドビーム式サスペンションの要となる部分です。 カップルドビーム式サスペンションは、ねじり梁式サスペンションの一種です。ねじり梁式サスペンションは構造が単純で場所を取らないため、小さな車に向いています。しかし、片側の車輪が路面の凹凸を乗り越えると、その衝撃が反対側の車輪にも伝わってしまうという欠点がありました。左右の車輪が独立して動かないため、乗り心地が悪く、左右に揺れる動きも大きくなってしまうのです。 そこで登場したのがカップルドビーム式サスペンションです。ねじり棒をトレーリングアームと車軸の間に配置することで、左右の車輪の動きをある程度独立させることに成功しました。片側の車輪が段差に乗り上げた際の衝撃は、ねじり棒のねじれを通して反対側の車輪にも伝わりますが、従来のねじり梁式に比べるとその影響は小さくなります。これにより、路面からの衝撃を効果的に吸収し、乗員が感じる振動を少なく、快適な乗り心地を実現しています。また、左右の車輪の動きが独立したことで、車体の安定性も向上しました。カーブを曲がるときも、車体が傾きすぎることなく、安定した走行を続けることができます。 このように、カップルドビーム式サスペンションは、単純な構造でありながら、乗り心地と操縦安定性を両立させた、優れたサスペンションと言えるでしょう。特に小さな乗用車にとって、場所を取らず、快適な乗り心地を提供できるという点は大きな利点です。
車の構造

いすゞビッグホーンの足回り技術

乗用車のように滑らかな乗り心地と、悪路走破性の両立。相反するこの二つの要素を高い次元で実現しているのが、いすゞビッグホーンです。その秘密は、後輪に採用された「中央4本式螺旋バネ支持装置」にあります。 この装置は、4本の棒状の部品で車軸を支える構造です。それぞれの棒が、路面からの衝撃を様々な方向から受け止め、効果的に分散させる役割を果たします。 螺旋バネは、路面の凹凸による衝撃を吸収し、車体が上下に揺れるのを抑えます。4本の棒と螺旋バネが協調して働くことで、車内への振動を最小限に抑え、まるで乗用車のような滑らかな乗り心地を実現するのです。 また、この装置は、悪路走破性にも大きく貢献しています。4本の棒が車軸をしっかりと支えるため、車輪が路面から離れにくく、安定した走行を可能にします。岩場やぬかるみといった悪路でも、確実なグリップ力を発揮し、ドライバーの思い通りの運転をサポートします。 さらに、この中央4本式螺旋バネ支持装置は、耐久性にも優れています。頑丈な構造により、過酷な環境下でも長期間安定した性能を発揮します。 乗る人すべてに快適さと安心感を与えるこの技術は、いすゞの「人を大切に思う造り」の精神を体現するものです。どんな道でも、自信を持って運転できる。いすゞビッグホーンは、ドライバーの信頼に応える頼もしい相棒となるでしょう。