ループパイル

くるまの床材として広く使われているじゅうたん。このじゅうたんの表面をよく見ると、輪っか状の短い毛がびっしりと並んでいるのに気が付くでしょう。これが輪状繊維と呼ばれるもので、くるまの快適性を高める重要な役割を担っています。輪状繊維は、毛先が輪になっていることで、独特の踏み心地を生み出します。足を踏み入れた時のふかふかした感触は、くるまの中でのくつろぎ感を高めます。また、この輪の形状は耐久性にも優れています。毛先が切りっぱなしになっているものと比べて、輪状になっていることで摩擦やほつれに強く、長持ちします。 輪状繊維で作られたじゅうたんは掃除のしやすさも魅力です。毛足が輪になっているため、ゴミやほこりが絡まりにくく、掃除機で簡単に吸い取ることができます。飲み物をこぼしてしまった場合でも、輪の中に液体が染み込みにくいため、すぐに拭き取ればシミになりにくいという利点もあります。 輪状繊維には様々な材料が使われますが、くるま用にはポリプロピレンという材料が広く採用されています。ポリプロピレンは、強度、耐摩耗性、耐水性に優れているだけでなく、価格も手頃であるため、くるま用じゅうたんに最適な材料と言えるでしょう。水や汚れに強く、色褪せしにくいという特徴も持ち、長期間にわたって美しさを保つことができます。さらに、ポリプロピレンは軽いという特性も持っています。くるまの部品は少しでも軽い方が燃費向上に繋がるため、この点も大きなメリットです。このように、様々な特性を持つ輪状繊維は、くるまの快適性、耐久性、清掃性、燃費向上など、多くの面で貢献している重要な要素と言えるでしょう。