レートジャイロ

記事数:(2)

機能

車の安定性とロール角速度の関係

車は曲がる時、遠心力によって外側に傾きます。この傾き具合をロールと呼び、傾きの速さをロール角速度と呼びます。このロール角速度が、乗り心地や安全な運転に大きく関わってきます。 急なロール、つまり速いロール角速度は、乗っている人に不安感を与えるだけでなく、車の安定性にも悪影響を及ぼします。タイヤが地面をしっかりと捉える力は、タイヤの接地面積に比例します。車が大きく傾くと接地面積が変わり、タイヤの踏ん張りが弱くなってしまうのです。 例えば、山道を走る車を想像してみてください。カーブで急に車が傾くと、タイヤが浮き上がりそうになり、とても不安定になります。最悪の場合、横転してしまう危険性もあるでしょう。 反対に、ロール角速度が穏やかな車は、カーブでも安定した姿勢を保つことができます。タイヤはしっかりと地面を捉え続けるので、運転手は安心してハンドル操作に集中できます。滑らかなロールは、同乗者にも安心感を与え、快適なドライブを楽しめるでしょう。 理想的なのは、ロールはあっても、その変化が穏やかな状態です。このような状態を実現するために、自動車メーカーは様々な技術開発に取り組んでいます。サスペンションの調整や、電子制御システムの導入など、ロール角速度を制御する技術は日々進化しています。これらの技術により、快適な乗り心地と優れた操縦性を両立した車を実現することが可能になっています。
運転補助

クルマの安定性を支えるジャイロセンサー

回転運動を捉える装置、それがジャイロセンサーです。この装置は、回転している物体は軸の向きを変えまいとする性質を持つという、コマの動きを思い浮かべると分かりやすい原理を利用しています。コマは回転している間、軸が常に同じ方向を指そうとしますよね。ジャイロセンサーも同様に、内部に回転する物体を持つことで、この物体の軸の動きの変化を細かく調べ、物体がどれくらい、どのように回転したかを正確に測ることができます。 ジャイロセンサーには様々な種類がありますが、その一つにフリージャイロと呼ばれるものがあります。これは、センサーの外枠を車体などに固定することで、車体の傾きや回転を検知することができます。例えば、車がカーブを曲がるとき、車体は傾きますよね。フリージャイロは、内部の回転体の軸と車体の相対的な角度の変化を測定することで、この傾きを正確に捉えることができるのです。 また、レートジャイロと呼ばれる種類のジャイロセンサーもあります。これは回転体にバネを取り付けることで、回転速度も測ることができるという特徴があります。車の場合、ハンドルを切る速さによって回転速度も変わります。レートジャイロは、バネの伸び縮み具合から回転体の回転速度の変化を捉え、車体の回転速度を正確に測定するのです。このように、ジャイロセンサーは回転運動に関する様々な情報を捉えることができるため、自動車をはじめ、様々な乗り物や機器で利用されています。例えば、車の横滑り防止装置などにもジャイロセンサーが活用されており、安全運転を支える重要な役割を担っています。