ロッカーアーム

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バルブロッカーアーム:エンジンの心臓部を支える

車の心臓部とも呼ばれるエンジンには、様々な部品が組み合わされており、その一つ一つが重要な役割を担っています。中でも、バルブロッカーアームはエンジンの吸気と排気を制御する上で欠かせない部品です。 エンジンは、空気と燃料を混ぜて燃焼させることで動力を生み出します。この燃焼の際に、燃焼室への空気と燃料の取り込み、そして燃焼後の排気ガスの排出を調整しているのがバルブと呼ばれる部品です。バルブロッカーアームは、このバルブの開閉動作を制御する重要な役割を担っています。 カムシャフトからの回転運動を受け、バルブロッカーアームはシーソーのように動作します。カムシャフトの回転によって押し上げられたバルブロッカーアームの一端は、バルブステムと呼ばれるバルブの軸を押します。これによりバルブが開き、燃焼室に空気と燃料が取り込まれたり、排気ガスが排出されたりします。そして、カムシャフトの回転が進むと、バルブロッカーアームは元の位置に戻り、バルブを閉じます。 この一連の動作を、エンジンの回転数に合わせて正確に繰り返すことで、エンジンのスムーズな動作と効率的な燃焼を実現しています。 バルブロッカーアームの動きは、まるで心臓の弁の開閉運動に似ています。心臓の弁が血液の流れを制御するように、バルブロッカーアームは燃焼室への空気と燃料、そして排気ガスの流れを制御しています。この精密な制御によって、エンジンは安定した回転を維持し、車を動かすための動力を生み出し続けることができます。もしバルブロッカーアームが正常に動作しないと、エンジンの出力低下や燃費悪化につながるだけでなく、最悪の場合エンジンが停止してしまうこともあります。そのため、バルブロッカーアームはエンジンの正常な動作に不可欠な部品と言えるでしょう。 定期的な点検と適切な整備を行うことで、エンジンの性能を維持し、安全な運転を確保することが重要です。
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バルブロッカーシャフト:エンジンの心臓部

車の心臓部であるエンジンには、空気と燃料を混ぜて爆発させる工程と、その燃えカスを排出する工程が欠かせません。この一連の工程を精密に制御しているのが吸気バルブと排気バルブですが、バルブロッカーシャフトはこれらのバルブを開閉する上で重要な役割を担っています。 バルブを開閉する部品であるバルブロッカーは、シーソーのように中心を支点として動きます。この支点の役割を果たすのがバルブロッカーシャフトです。バルブロッカーシャフトは、カムシャフトからの回転運動をバルブロッカーに伝え、バルブロッカーを介してバルブを開閉させます。 バルブロッカーシャフトは、単なる支点としてだけでなく、バルブロッカーの動きを滑らかにし、正確な動きを保証する役割も担っています。もし、このシャフトがなければ、バルブロッカーは安定した動きを保てず、バルブの開閉のタイミングがずれてしまいます。 バルブの開閉タイミングがずれると、エンジンの出力低下や燃費の悪化、最悪の場合はエンジンの停止につながる可能性があります。適切なタイミングで空気と燃料を混合し、燃焼ガスを排出するためには、バルブの正確な開閉が不可欠です。バルブロッカーシャフトは、まさに縁の下の力持ちとして、エンジンの正常な動作を支えています。 バルブロッカーシャフトは、高い強度と耐久性が求められる部品です。エンジン内部は高温高圧の環境であり、常に激しい動きにさらされています。そのため、バルブロッカーシャフトには、これらの過酷な条件に耐えうる材質と設計が求められます。また、潤滑油の供給も重要です。摩擦を減らし、摩耗を防ぐことで、バルブロッカーシャフトの寿命を延ばし、エンジンのスムーズな動作を維持することができます。このように、バルブロッカーシャフトは、小さな部品ながらもエンジンの性能に大きく影響を与える重要な部品なのです。
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燃費向上に貢献するローラーロッカーアーム

くるくると回る部品である、カム軸。このカム軸の回転運動を、吸気と排気の扉であるバルブを開け閉めする動きに変えるために、重要な部品があります。それがロッカーアームと呼ばれるものです。このロッカーアームに小さなローラーを取り付けたものが、ローラーロッカーアームです。 従来のロッカーアームは、カムと直接擦れ合うことで動きを伝えていました。この擦れ合う部分が、摩擦抵抗を生み出す原因でした。しかし、ローラーロッカーアームでは、カムとローラーが転がり接触するため、この摩擦抵抗を大幅に減らすことができます。まるで、荷物を運ぶ際に、地面を引きずるよりも台車に乗せて転がす方が楽なのと同じです。 この摩擦抵抗の減少は、エンジンの回転を滑らかにし、燃費の向上に繋がります。特に、車の信号待ちなどでエンジンが低い回転数で動いている時や、ゆっくりとした速度で走っている時などは、この効果がはっきりと感じられます。これは、エンジン回転数が低い時は、摩擦抵抗がエンジンの出力に占める割合が大きいため、少しの抵抗の減少でも大きな影響を与えるからです。 さらに、摩擦による熱の発生も抑えられるため、エンジンの寿命を延ばすことにも繋がります。摩擦によって生じる熱は、部品の劣化を早める原因となります。ローラーロッカーアームは、この熱の発生を抑えることで、エンジンの耐久性を高めているのです。まるで、ずっと握りしめていると熱くなるおにぎりも、時々持ち替えることで冷ましておくことができるのと同じように、摩擦を減らすことでエンジンの熱をうまく管理し、長持ちさせることができるのです。
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ダイレクトバルブ駆動:高効率エンジンの心臓部

車の心臓部である原動機、その吸気と排気を司る大切な部品が弁です。この弁を動かす仕組みの一つに、直接弁駆動というものがあります。従来の揺り腕と呼ばれる部品を介した方式とは違い、回転する軸からの力を直接弁に伝えるため、より精密な制御を実現しています。 回転軸には、カムと呼ばれる山状の突起が設けられています。原動機が動くと、この回転軸も回転し、カムが上下に動きます。カムが上部に来た時、カムは、突き棒と呼ばれる部品を押し上げます。この突き棒が直接弁を押し下げることで、弁が開き、新鮮な空気と燃料の混合気が燃焼室へと吸い込まれます。逆にカムが下部に来た時、突き棒への押し上げがなくなり、弁についたばねの力で弁は閉じ、燃焼室は密閉されます。 この直接的な駆動方式には、様々な利点があります。揺り腕を介さないため、部品点数が少なくなり、装置全体の重さを減らすことができます。また、弁の動きがより正確になるため、原動機の性能向上に繋がります。特に、原動機が高速で回転する領域では、弁の動きがカムの動きに正確に追従できるため、より大きな力を得ることができます。 さらに、この仕組みは燃費の向上にも貢献します。弁の開閉時期を精密に制御することで、燃焼効率を最適化し、燃料消費を抑えることができるからです。近年の自動車において、この直接弁駆動は広く採用されており、環境性能と動力性能の両立に大きく貢献しています。
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エンジンの覆い:ロッカーカバーの役割と進化

車の心臓部である発動機の上部は、様々な部品が精巧に組み合わされて動いています。まるで生き物の体の中のように複雑な構造をしています。その中で、吸排気バルブを開閉する重要な役割を担う部品の一つに、ロッカーアームがあります。このロッカーアームを保護し、潤滑油の飛散を防ぐのが覆いの役割です。 この覆いは、ロッカーカバーと呼ばれ、発動機内部の精密な部品を外部の塵や埃から守る防護壁の役割を果たしています。もし塵や埃が入り込んでしまうと、部品の摩耗や損傷を招き、発動機の性能低下に繋がる可能性があります。ですから、ロッカーカバーは、発動機の正常な動作を維持するために不可欠な部品と言えるでしょう。 また、ロッカーカバーは、潤滑油が飛び散るのを防ぐ役割も担っています。高速で回転する発動機内部では、潤滑油が飛散しやすく、エンジンルーム内を汚してしまう原因になります。ロッカーカバーは、潤滑油の飛散を抑制することでエンジンルーム内の清潔さを保ち、他の部品の劣化を防ぎます。 さらに、ロッカーカバーは、発動機から発生する騒音を抑える効果も持っています。ロッカーアームの作動音や、その他の機械音が外部に漏れるのを防ぎ、車内の静粛性を向上させています。快適な運転環境を提供するためにも、ロッカーカバーは重要な役割を果たしているのです。 特に、OHVと呼ばれる形式の発動機では、ロッカーアームとプッシュロッドと呼ばれる部品を使ってバルブを開閉するため、これらの部品全体を覆う大きなロッカーカバーが必要になります。そのため、ロッカーカバーは発動機の外観を大きく左右する要素の一つとなっており、車のデザインにも影響を与えています。
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調整ねじ:車の心臓部を支える小さな巨人

調整ねじは、機械部品の間隔や位置を微調整するための、小さなながらも重要な部品です。まるで縁の下の力持ちのように、エンジンを始めとする様々な機械の性能を左右する役割を担っています。 自動車の心臓部であるエンジンは、非常に精密な部品の組み合わせでできています。各部品が正しく動いてはじめて、なめらかな走りや高い性能を発揮することができるのです。この精密な動きを支えているのが、調整ねじです。 例えば、エンジンの吸気と排気のタイミングを調整するバルブの間隔。この間隔を調整ねじで細かく調整することで、エンジンの性能を最大限に引き出すことができます。適切な間隔に調整することで、燃料を効率よく燃焼させ、力強い走りを実現しながら、排出ガスも抑えることが可能になります。 また、ブレーキペダルの遊び具合を調整するのも調整ねじの役割です。ブレーキの効き始めを調整することで、安全で快適な運転に繋がります。ペダルの踏み込み量とブレーキの効き具合が、自分の運転に合った状態になっているか、調整ねじによって調整することができます。 もし調整ねじが適切に調整されていないと、エンジンの不調や故障に繋がることもあります。例えば、燃費が悪くなったり、異音が発生したり、最悪の場合はエンジンが停止してしまうこともあります。快適な運転を維持し、大きな修理を防ぐためにも、調整ねじの役割と重要性を理解しておくことが大切です。定期的な点検整備で、これらの調整ねじの状態を確認し、必要に応じて調整してもらうことで、車は最適な状態で走り続けることができます。小さな部品ですが、車にとって大きな役割を持つ調整ねじ。その存在を意識することで、より安全で快適なカーライフを送ることができるでしょう。
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オイルタペット:エンジンの縁の下の力持ち

車の心臓部であるエンジンの中には、吸気と排気を制御するバルブという部品が存在します。このバルブは、カムシャフトという回転する部品によって押し下げられて開閉を繰り返しますが、バルブとカムシャフトの間に適切な隙間(バルブクリアランス)が必要です。この隙間は、エンジンが冷えている時と温まっている時で変化するため、適切なクリアランスを維持することがエンジンの調子を保つ鍵となります。 このバルブクリアランスを自動的に調整してくれるのが、オイルタペットです。オイルタペットは、エンジンオイルの圧力を使ってバルブとカムシャフトの間の隙間を自動的に調整します。エンジンが冷えている時は隙間を小さく、温まっている時は隙間を大きくすることで、常に最適なバルブクリアランスを保ちます。 オイルタペットの働きによって、エンジンは滑らかに静かに動きます。また、燃費の向上にも貢献します。バルブクリアランスが適切でないと、エンジンからカタカタという異音が発生したり、最悪の場合、バルブが損傷してエンジンが動かなくなることもあります。 もしオイルタペットがなければ、バルブクリアランスは手動で調整しなければなりません。これは専門的な知識と技術が必要な作業で、定期的に調整を行う必要があります。オイルタペットのおかげで、私たちは面倒なバルブクリアランスの調整から解放され、快適な運転を楽しむことができるのです。オイルタペットは、まさに縁の下の力持ちと言えるでしょう。 オイルタペットは小さな部品ですが、エンジンの性能と寿命を左右する重要な役割を担っています。定期的な点検と適切なオイル交換を行い、オイルタペットを良好な状態に保つことで、車は長く快適に走り続けることができます。
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カムフォロアの役割:エンジンを動かす小さな巨人

くるまの心臓部である発動機の中身には、カムという部品があります。このカムは、回転運動をする軸につながっていて、まるで山の峰のように凸凹しています。このカムの凸凹に合わせて、上下に動く小さな部品がカムフォロアです。 カムフォロアは、カムの山の峰が上に来た時に押し上げられます。そして、この押し上げられた力が、吸気バルブや排気バルブという、空気や排気の通り道をふさぐ扉を開け閉めする力に変換されます。扉を開けることで、新鮮な空気を発動機内に取り込み、燃えかすを外に出すことができるのです。カムフォロアは常にカムに接触しているため、カムの回転運動を正確に直線運動に変換し、バルブの開閉時期を精密に制御しています。 カムフォロアには、大きく分けて二つの種類があります。一つは、すり鉢状の形をした部品の中にカムが直接接触するタイプです。もう一つは、カムとフォロアの間に、小さなローラーが挟み込まれているタイプです。ローラーが付いていることで、摩擦が減り、より滑らかに動くため、発動機の回転数を高く保つことができます。 カムフォロアは小さな部品ですが、その役割は非常に重要です。もしカムフォロアが壊れてしまうと、バルブが適切なタイミングで開閉できなくなり、発動機の出力低下や異常燃焼につながる可能性があります。最悪の場合は、発動機が動かなくなってしまうこともあります。ですから、カムフォロアは、見えないところで発動機の性能を支える、縁の下の力持ちと言えるでしょう。
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静かなエンジン:ゼロラッシュタペットの秘密

車は、燃料を燃やして力を生み出す装置である機関を心臓部に持ちます。この心臓部が滑らかに動くためには、空気や排気の通り道を調節する弁が、適切なタイミングで開いたり閉じたりする必要があります。この弁の動きを制御するのが突き棒と呼ばれる部品です。 従来の突き棒では、弁と突き棒の間にわずかな隙間が必要でした。これは、機関の温度変化によって部品が膨張したり収縮したりするのを吸収するためです。この隙間は、熱くなった機関が冷える時などに特に重要で、隙間がないと弁が閉じなくなり、機関の不調につながる可能性があります。 しかし、この隙間が「カチカチ」という音を発生させる原因でもありました。突き棒が弁に当たるたびに音が鳴るため、この音は突き棒音と呼ばれています。この音は、特に機関が冷えている時や、回転数が低い時に目立ち、静かな車内では気になる音でした。 そこで開発されたのが、隙間をなくす突き棒です。この突き棒は、油の圧力を使って弁と突き棒の間の隙間を常にゼロに保ちます。これにより、突き棒音が解消され、静かで快適な運転が可能になりました。また、隙間がないことで弁の動きがより精密に制御できるようになり、機関の性能向上にも貢献しています。 隙間をなくす突き棒は、小さな部品ですが、車の快適性や性能向上に大きく貢献する、重要な技術革新と言えるでしょう。静粛性の向上は、高級車だけでなく、幅広い車種で求められるようになってきており、隙間をなくす突き棒は、これからの車の進化において、重要な役割を果たしていくと考えられます。
駆動系

縁の下の力持ち:フォロア

機械仕掛けの世界では、動力を生み出すものと、その力を受けて動くものが組み合わさって仕事をしています。自ら力を生み出す部分を駆動側と呼び、その反対に、駆動側から伝えられた動きを受け取る側を従動側、またの名をフォロアと呼びます。フォロアは、駆動側から伝えられた動きを歪みなくそのまま再現することで、機械全体が滑らかに動くように陰で支えています。一見すると目立たない存在ですが、実は機械にとって欠くことのできない重要な役割を担っています。 たとえば、自動車の心臓部である発動機を考えてみましょう。発動機の中では、クランク軸という部品が回転することで動力が生まれます。この回転運動は、吸気、圧縮、爆発、排気という一連の動作を正確に制御するために、カム軸という別の部品に伝えられる必要があります。このクランク軸の回転運動をカム軸に伝える重要な役割を担っているのが、まさにフォロアです。フォロアは、カムの複雑な形状に沿って動き、カム軸の回転を制御することで、発動機の滑らかで力強い動きを実現しています。 フォロアの種類は様々で、単純な円柱状のものから、ローラーやスリッパと呼ばれる特殊な形状のものまで、用途に合わせて様々な形状が用いられています。それぞれのフォロアは、摩擦や摩耗を最小限に抑えながら、高い精度で動きを伝えるように設計されています。もしフォロアがなければ、発動機は正常に動作しません。縁の下の力持ちという言葉がまさにぴったり当てはまる、機械にとってなくてはならない存在と言えるでしょう。
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プッシュロッド:エンジンの隠れた立役者

自動車の心臓部であるエンジンには、吸気と排気を制御する動弁系という重要な機構があります。この動弁系の中で、プッシュロッドはカムシャフトの回転運動をロッカーアームに伝え、吸排気バルブを開閉させる役割を担っています。一見するとただの棒状の部品ですが、エンジンの滑らかな動きには欠かせない縁の下の力持ちと言えるでしょう。 エンジンが作動している間、カムシャフトは回転運動をしています。この回転運動を吸排気バルブの開閉運動に変換するために、プッシュロッドが活躍します。回転するカムシャフトの一部が出っ張っている部分をカムローブと言いますが、カムローブがプッシュロッドを押し上げることで、プッシュロッドも上下運動を始めます。プッシュロッドの先端はロッカーアームと連結されており、プッシュロッドの上下運動はロッカーアームの揺動運動に変換されます。さらに、このロッカーアームの動きが吸排気バルブを開閉させるのです。このように、プッシュロッドはカムシャフトとロッカーアームの間に位置し、回転運動を上下運動、そして揺動運動へと変換する重要な中継役を担っています。 プッシュロッドの材質には、高い強度と耐摩耗性が求められます。高速で回転するエンジン内部で常に動いているため、強度が不足すると折損してしまう可能性があるからです。また、カムローブと常に接触しているため、摩耗しやすいという特性もあります。そのため、プッシュロッドには、これらの過酷な条件に耐えうる特殊な鋼材が用いられています。 プッシュロッドは、エンジンの高性能化にも貢献しています。近年のエンジンは、より高い出力と燃費効率が求められています。そのため、バルブの開閉タイミングやリフト量を精密に制御する必要があります。プッシュロッドは、この精密な制御を実現するために重要な役割を果たしています。 このように、プッシュロッドはエンジン内部の複雑な機構の中で、小さな部品ながらも重要な役割を担っています。その働きを理解することで、エンジンの仕組み全体への理解も深まり、より一層自動車への興味が増すことでしょう。
駆動系

ベルクランク:小さな部品、大きな役割

伝えたい力の種類や大きさ、方向に合わせて形を変えることができるベルクランクは、自動車の様々なところに隠れて活躍する縁の下の力持ちです。一見すると単純な、少し曲がった棒のように見えますが、その働きは実に巧みです。ベルクランクの最も基本的な役割は、力を伝えることです。エンジンが生み出した回転する力は、そのままではタイヤを回すことができません。そこで、ベルクランクの出番です。回転する力を、タイヤを動かすために必要な上下方向の力に変換することで、スムーズな走行を可能にしています。まるで、回転する水車の力を汲み上げるポンプの動きに変えるような働きです。 さらにベルクランクは、力の大きさを変えることも得意です。小さな力で大きな力を生み出したり、逆に大きな力を小さな力に変えたりすることができます。これは、例えばブレーキペダルを踏む力を増幅して、大きな制動力を得る場合などに役立ちます。小さな力で重い物を持ち上げるてこの原理と似ています。ベルクランクは、てこの原理と同じように、支点の位置を調整することで力の大きさを自在に変えることができるのです。 また、窓を開閉する機構にもベルクランクが用いられています。ハンドルを回す回転運動を、窓ガラスを上下させる直線運動に変換することで、滑らかに窓を開閉することができます。このように、ベルクランクは単に力を伝えるだけでなく、回転運動を直線運動に変換したり、その逆を行ったり、まるで魔法の杖のように力の性質を操ることができます。自動車の様々な場所で、その巧みな力の変換能力を発揮し、私たちの快適な運転を支えているのです。まるで、指揮者の指示通りに様々な楽器の音色をまとめ上げるオーケストラのように、ベルクランクは自動車の様々な動きを調和させている、と言えるでしょう。
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ロッカーシャフト:エンジンの隠れた立役者

車のにとって、空気を取り込み、燃えかすを排出することは人の呼吸と同じくらい大切です。この大切な役割を担うのが吸気弁と排気弁です。吸気弁は空気を取り込み、排気弁は燃えかすを外に出します。これら2つの弁は、まるで扉のように開いたり閉じたりを繰り返すことで、車のエンジンがうまく動くようにしています。 この弁の開閉を助ける部品の一つに揺り棒と呼ばれるものがあります。揺り棒は、てこの原理を使って弁を開閉する重要な部品です。しかし、揺り棒もまた、支える軸がないとうまく動きません。そこで登場するのが揺り軸です。揺り軸は、揺り棒を支える軸で、揺り棒がこの軸を中心に回転することで、吸気弁と排気弁の開閉動作を滑らかにします。 揺り軸は、一見地味な部品ですが、エンジンの滑らかな動きを支えるためには欠かせません。揺り軸がしっかりしていなければ、揺り棒は安定して回転できません。揺り棒がうまく回転しないと、吸気弁と排気弁の開閉が乱れ、エンジンの出力低下や燃費悪化につながることもあります。つまり、揺り軸は、エンジンの性能を維持するために、縁の下の力持ちとして重要な役割を果たしているのです。 揺り軸は高い強度と耐久性が求められます。エンジン内部は高温高圧な環境であり、揺り軸は常に大きな力にさらされています。そのため、揺り軸は、これらの過酷な条件下でも変形したり、摩耗したりしないように、頑丈に作られています。また、滑らかに回転するように、表面は精密に加工されています。 このように、揺り軸は小さいながらも、車の性能を左右する重要な部品です。普段は目に触れることはありませんが、車の滑らかな走りを支えるために、重要な役割を担っているのです。
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ロッカーアーム:エンジンの縁の下の力持ち

自動車の心臓部であるエンジンは、ガソリンと空気の混合気を爆発させることで動力を生み出します。この爆発力を効率的に動力に変換するには、空気の取り込みと排気ガスの排出を精密に制御することが不可欠です。この制御を担うのが動弁系であり、その中で重要な役割を果たす部品の一つがロッカーアームです。 動弁系は、エンジンの吸気行程では空気とガソリンの混合気をシリンダー内に取り込み、圧縮行程で圧縮された混合気を爆発させ、そして排気行程で燃焼後の排気ガスを排出するという一連の流れを制御します。この一連の動作の中で、シリンダーへの空気の取り込みと排気ガスの排出を担うのがバルブです。このバルブの開閉時期を正確に制御することで、エンジンの出力と燃費が大きく左右されます。 ロッカーアームは、カムシャフトからの回転運動をバルブを開閉する直線運動に変換する役割を担っています。カムシャフトはエンジンの回転と同期して回転し、カムと呼ばれる突起部分を持ちます。このカムがロッカーアームを押すことで、ロッカーアームはシーソーのように動き、バルブを押し下げて開きます。カムが回転して突起部分が過ぎると、ロッカーアームはバネの力によって元の位置に戻り、バルブを閉じます。 このように、ロッカーアームはカムシャフトからの回転運動をバルブの開閉という直線運動に変換するという重要な役割を担い、エンジンの性能を左右する重要な部品です。ロッカーアームの形状や材質、そしてその周りの部品との組み合わせによって、エンジンの出力特性や燃費、そして排気ガスの清浄度が変わってきます。 適切な設計と調整によって、エンジン性能を最大限に引き出すことができます。
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エンジンの心臓部、バルブクリアランス

自動車の心臓部である発動機の中には、吸気と排気を司る弁と、その弁が納まる頭部があります。発動機が動いている時は、摩擦や燃焼によって内部の温度が上がり、これらの部品も熱で膨らみます。ところが、弁と頭部は同じ熱を受けても膨らみ方が違います。頭部は全体が大きく熱せられるため膨張も大きい一方、弁は頭部に比べ細長く、先端は燃焼室にさらされているため冷却されやすく、膨張は小さくなります。 この膨張の差を調整するために、弁と頭部の間に「弁隙間」と呼ばれるわずかな隙間が設けられています。この隙間は、発動機が冷えている時に調整する必要があります。なぜなら、発動機が温まっている時は、すでに部品が膨張しているため、正確な隙間を測ることができないからです。冷えた発動機は、いわば部品たちが平常時の状態にある時と言えます。この時に隙間を調整することで、温まった時に弁が頭部にきちんと密着し、正常な働きを保つことができます。 弁隙間は、車種や発動機の型式によって適正な値が異なります。これは、部品の材質、形状、大きさなどが車種によって異なるためです。適切な弁隙間値は、自動車に付属の整備手帳に記載されています。もし、弁隙間が適正値からずれていると、弁が完全に閉じなくなり、圧縮漏れを起こすことがあります。すると、発動機の力が十分に出なくなったり、最悪の場合は発動機が壊れてしまうこともあります。また、弁隙間が狭すぎると、温まった時に弁が頭部に押さえつけられ、開いたままになってしまうこともあります。これもまた、発動機に深刻な損傷を与える原因となります。そのため、定期的に整備手帳を確認し、必要に応じて専門の整備工場で調整してもらうことが大切です。