車の顔、フロントグリル
車は、心臓部である発動機を冷やすための仕組みが備わっています。この発動機は、動くことでたくさんの熱を生み出します。もしこの熱をうまく逃がさないと、発動機は焼き付いてしまい、車は動かなくなってしまいます。そこで、発動機を冷やすための冷却装置が重要な役割を果たします。冷却装置には、熱くなった発動機を冷やす放熱器や、エアコンの冷媒を冷やす冷却器などがあります。
これらの大切な冷却装置を守る役割を担っているのが、車の前方に取り付けられた格子状の部品、前面格子です。前面格子は、走行中に小石や虫などの異物が当たって冷却装置が壊れるのを防ぎます。また、前面衝突事故の際にも、ある程度の衝撃を吸収し、冷却装置へのダメージを軽減する役割も担います。
前面格子は、ただ単に冷却装置を守るだけでなく、空気の流れを調整する役割も担っています。車は走行中に、大量の空気を前面から取り込みます。前面格子は、この空気の流れを制御し、冷却装置に効率よく風を当てることで、冷却効果を高めます。また、空気抵抗を減らすように設計された前面格子は、車の燃費向上にも貢献します。
前面格子のデザインも重要な要素です。車の顔とも言える前面格子には、メーカーや車種ごとの個性が表れています。力強い印象を与えるもの、洗練された雰囲気のもの、スポーティーなものなど、様々なデザインがあります。最近では、前面格子に様々な機能を組み込む例も増えてきており、例えば、自動運転に必要なセンサー類が組み込まれていることもあります。このように、前面格子は車の機能とデザインの両面で重要な役割を果たしていると言えるでしょう。