車の心臓を守る!潤滑油の流動点とは?
機械を滑らかに動かすために欠かせない油は、温度が下がると流れにくくなり、固まることもあります。この固まる直前の温度のことを流動点と言います。流動点は、油の低温での性質を知る上で、とても大切な目安です。流動点は、日本工業規格(略して日工規)のK2269という番号で定められた方法で測ります。この方法では、試験管に油を入れて、少しずつ温度を下げていきます。そして、試験管を傾けた時に、油が流れなくなる温度を調べます。この流れなくなった温度が、その油の流動点です。
流動点は、油を選ぶ際に、特に寒い地域で使う機械にはとても重要な要素です。なぜなら、周りの温度が流動点を下回ると、油は流れなくなって固まってしまうからです。固まった油は、エンジンや機械の部品に行き渡らなくなり、様々な問題を引き起こします。例えば、エンジンがかかりにくくなったり、部品同士が擦れて傷ついたり、壊れたりする可能性があります。ですから、使う場所の最低気温よりも、油の流動点は十分に低いものを選ぶ必要があります。
流動点は、油に含まれる成分によって変わってきます。例えば、ワックスと呼ばれる成分が多い油は、高い温度で固まり始め、流動点が高くなります。反対に、ワックスが少ない油は、低い温度まで固まらず、流動点が低くなります。油の種類によって、流動点は様々です。それぞれの機械や使う環境に合った、適切な流動点の油を選ぶことが、機械を長く、良い状態で使うために大切です。日工規で定められた試験方法は、正確な流動点を測るための大切な手順を示しています。この手順に従って測ることで、信頼できる流動点の値を得ることができ、機械の安全な運転を守ることにも繋がります。