出力測定

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車の開発

エンジンの出力測定と過負荷運転

車の心臓部とも言える機関の性能を測る上で、力の大きさを知ることはとても大切です。この力の大きさを測るために、力計という装置がよく使われています。力計は、機関が回転する力を別の抵抗力に変え、その抵抗力の大きさを測ることで機関の力の大きさを計算します。この抵抗力は、水の流れや電気の流れ、油の圧力などを使って作り出します。 例えば、水を使った力計では、機関が回す羽根車を水の中に入れます。羽根車が水の中を回ると、水に抵抗力が生まれます。この水の抵抗力を測ることで、機関の力の大きさが分かります。同じように、電気を使った力計では、機関が回ることで生まれる電気の流れを測り、機関の力の大きさを計算します。 力計の種類によっては、機関の回転する速さや回転させる力の強さといった情報も同時に測ることができます。これらの情報は、機関の全体的な性能を詳しく知るためにとても役立ちます。例えば、回転する速さが同じでも、回転させる力の強さが大きい機関は、より大きな力を持っていると言えます。また、回転させる力の強さが同じでも、回転する速さが速い機関は、より高い性能を持っていると言えます。 このように、力計を使うことで、機関がどれだけの力を持っているかを正確に知ることができます。これは、新しい車の開発や、既存の車の改良に欠かせない情報です。さらに、車の故障の原因を特定するのにも役立ちます。力計の種類によって、それぞれ得意な測定範囲や精度が異なるため、目的に合わせて適切な力計を選ぶことが重要です。
車の開発

車の心臓部、エンジンのパワーを測る

車の心臓部である発動機は、どれほどの力を秘めているのでしょうか?その力を測る方法の一つに、回転の抵抗を利用した「うず電流動力計」があります。これは、発動機が持つ回転する力を、抵抗の力に変えて測る道具です。 発動機が生み出す回転する力は、動力計の中にある円盤に伝えられます。この円盤は、強力な磁石のすぐそばで回転する仕組みになっています。すると、磁石と回転する円盤の間で不思議な現象が起こります。「電磁誘導」と呼ばれるこの現象によって、円盤の中に「うず電流」という電流が生まれます。まるで水の渦のように流れるこの電流は、磁石との間で、ブレーキのような働きをします。回転する円盤を止めようとするのです。 この止める力の大きさが、発動機の回転する力を表しています。回転する力を「回転力」と呼びますが、専門的には「トルク」とも呼ばれます。うず電流動力計はこのトルクを測っているのです。 さらに、このトルクと発動機の回転する速さ(回転数)が分かれば、発動機の本当の力、つまり「出力」を計算することができます。出力は馬力などで表され、車のカタログなどでよく目ににする数字です。 このように、うず電流動力計は、目に見えない力を、回転抵抗と電磁誘導という現象を利用して、私たちが理解できる数字に変換してくれる、大変便利な道具なのです。