分巻モーター

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進化を続ける直流分巻モーター:自動車への応用

車は、走るために様々な部品が組み合わさってできています。その中で、動力を生み出す重要な部品の一つが電動機です。電動機にも様々な種類がありますが、その一つに直流分巻電動機というものがあります。これは、回転する部分(回転子)と固定された部分(固定子)という二つの主要な部分からできています。 固定子には、磁石の力を生み出すための線が巻かれています(固定子巻線)。回転子にも同様に線が巻かれており(回転子巻線)、この二つの巻線がそれぞれ電池につながっています。直流分巻電動機の大きな特徴は、この固定子巻線と回転子巻線が互いに並列につながっているという点です。回路で例えると、二つの電球を電池につなぐときに、並列つなぎにするようなものです。 この並列つなぎのおかげで、車に重い荷物を積んだり、坂道を登ったりといった負荷の変化があっても回転する速さは比較的安定します。これは、一定の速さを保ちやすい電動機と言えるでしょう。さらに、固定子と回転子の巻線をそれぞれ別々に調整できるため、様々な走行状況に合わせた細かい制御が可能です。例えば、急に速度を上げたい時は回転子への電流を多くし、安定した走りが必要な時は固定子の磁力を調整することで、最適な力を得ることができます。 このように、直流分巻電動機は高い制御性を備えているため、車の様々な要求に応えることができます。近年の技術革新で、より小型で強力な電動機も開発されており、環境にも優しい車作りに貢献しています。