車の心臓部、導体の役割
車は、ガソリンや電気といった力の源を使って動きます。その力をうまく使うためには、電気の流れをきちんと整えることがとても大切です。電気の通り道となるのが、電気を通す物質、すなわち導体です。車は、様々な場所で導体を使い、電気の通り道を確保しています。
夜道を照らすヘッドライト、エンジンをかける時、暑い夏に涼しい風を送るエアコン、道案内をしてくれるカーナビゲーション、これらは全て導体を通して電気が流れることで初めて役に立ちます。導体がなければ、車はただの鉄の塊と変わりません。
車の中で電気の通り道となる導体は、主に銅線が使われています。銅は電気を通しやすく、加工もしやすいので、様々な形に変えて車の中に張り巡らされています。細い線から太い線まで、電気を使う場所に合わせた太さの銅線が選ばれ、電気を確実に送ります。
エンジンルームの中には、特に太い導体があります。エンジンをかけるスターターモーターは大きな力が必要なので、たくさんの電気を一度に送る必要があります。そのため、太い導体を使って、必要な電気を確実に供給することで、スムーズにエンジンを始動させることができます。
また、電気を使う場所には、必ずと言っていいほどヒューズと呼ばれる安全装置が付いています。ヒューズは、電気が流れすぎると熱で溶けることで回路を遮断し、車を守る役割を果たします。もしヒューズがなければ、電気が流れすぎて配線が熱くなり、火災につながる危険性があります。このように、導体は電気の通り道として重要なだけでなく、安全に電気を流すためにも工夫されているのです。現代の私たちの生活に欠かせない車にとって、導体はまさに血管のような存在と言えるでしょう。