吸気効率を高める!マルチラムとは?
車は、燃料を燃やすことで力を生み出し、走ります。この燃料を燃やすためには、空気は欠かせないものです。人は呼吸をするように空気を吸い込みますが、車もまた、空気を吸い込んで燃料を燃やし、力を得ています。いかに効率よく空気を吸い込めるかが、車の性能を左右する重要な要素となります。
空気の吸い込み方を最適化する工夫の一つに、吸気管の長さを調整する機構があります。吸気管とは、空気をエンジンに送り込む管のことです。この管の長さを変えることで、空気の流れをスムーズにし、より多くの空気をエンジンに送り込むことができます。この吸気管の長さを調整する機構は、複数の吸気管を使い分けることから、複数の吸気管という意味を持つ言葉を用いて呼ばれています。
エンジンの回転数が低い時や、負荷が小さい時は、短い吸気管を使うことで、素早く空気を送り込むことができます。逆に、エンジンの回転数が高い時や、負荷が大きい時は、長い吸気管を使うことで、より多くの空気を送り込み、大きな力を生み出すことができます。まるで、状況に合わせて呼吸の仕方を調整しているかのようです。
この吸気管の長さを調整する機構によって、エンジンの出力は向上し、より力強い走りを実現できます。同時に、燃料の燃焼効率も向上するため、燃費も良くなります。つまり、力強い走りと燃費の良さという、一見相反する二つの要素を両立させることができるのです。この技術は、車の性能向上に大きく貢献しており、現在、様々な車に搭載されています。