クルマづくりと設計品質保証
車を造る上で、設計段階での品質保証は安全で快適な車を提供するための土台となります。設計品質保証とは、設計の段階で定めた品質の目標を確実に達成する責任を果たすことを指します。高品質な車を世に送り出すためには、設計の段階で品質を保証することが欠かせません。
まず、目指すべき品質目標をはっきりと定める必要があります。顧客の期待を超える性能、快適性、安全性などを具体的に数値化し、設計の指標とするのです。例えば、衝突安全性試験で最高ランクを獲得する、燃費を従来比で何割向上させる、といった明確な目標を設定します。
次に、設定した目標を達成するための確かな技術力が必要です。最新の設計技術、素材の選定、製造工程の管理など、あらゆる面で高い技術力を発揮しなければなりません。強度を高めつつ軽量化を実現する素材の開発や、緻密な設計を可能にするコンピューター技術の活用などが重要になります。また、開発過程で不具合を発見し、改善していくための試験や検証も徹底的に行います。
さらに、品質を適切に評価できる体制を整えることも必要です。客観的な指標に基づいた試験や検査を実施し、目標値に対する達成度合いを正確に把握することで、品質を継続的に改善していくことができます。専門の検査員による走行試験や、様々な環境下での耐久試験などを実施し、厳しい目で評価することで、潜在的な問題点の早期発見に繋げます。
高い目標を設定するだけでは十分ではありません。目標を実現する力と、その成果を正しく評価する仕組みが揃って初めて、設計品質保証が成り立ち、真に高品質な車が生まれます。設計品質保証は、車づくり全体の基礎を支える重要な要素と言えるでしょう。