車の購入を決める人:誰に話をすればいい?
車を売る仕事では、誰に売り込むのかを見極めることがとても大切です。お店に足を運んでくれた人が、必ずしも買う人とは限りません。例えば、家族で車を見に来たとしましょう。わくわくしながら車の話をしているのは、お父さんかもしれません。車の性能やデザインについて、熱心に質問をしているかもしれません。しかし、実際に買うかどうかを決めるのは、奥さんということもよくある話です。
高価な買い物である車は、家族みんなで使うものです。だからこそ、家族全員の意見を聞き、みんなが納得する車を選ぶ必要があります。お父さんは、速くてかっこいい車に乗りたいと思っているかもしれません。お母さんは、安全で安心して運転できる車を望んでいるかもしれません。子供たちは、後ろの席が広くて、快適に座れる車を気に入るかもしれません。このように、家族それぞれが異なる希望を持っていることがほとんどです。
このような状況で、営業担当者は誰に一番力を入れて説明するべきでしょうか?それは、買うかどうかを決める力を持っている人、つまり「購買決定権者」です。多くの場合、家計を握っているお母さんが、この決定権を持っていることが多いでしょう。お父さんがどんなに気に入った車でも、お母さんが「だめ」と言えば、その車は買えません。逆に、お父さんがあまり乗り気でない車でも、お母さんが「これがいい」と言えば、その車が選ばれるのです。
ですから、営業担当者は、誰がお金の出し方、つまり決定権を持っているのかを早い段階で見極める必要があります。そして、その人に合わせた説明をし、納得してもらえるように努力することが重要です。時間をかけてお父さんを説得しても、最終的に奥さんが「いいえ」と言えば、これまでの努力は水の泡です。せっかくの商談を成功させるためには、決定権者を正しく見極め、その人に焦点を当てた対応をすることが不可欠です。