固定式キャリパー

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シェイクバック:ブレーキの遊びと安全性

車は、でこぼこ道を走ると、様々な振動に見舞われます。この振動が原因で、ブレーキの効きが悪くなる現象があり、これを揺れ戻り現象と呼びます。特に揺れ戻り現象は、ディスクブレーキを搭載した車に発生しやすい問題です。 ディスクブレーキは、回転する円盤状の部品(ブレーキローター)を挟み込むように、ブレーキパッドで締め付けることで減速します。このブレーキパッドを動かすのが、油圧を利用したピストンです。 路面の凹凸を乗り越える際、車体や車軸には上下左右様々な方向の振動が発生します。この時、ブレーキの部品全体も振動の影響を受けます。ブレーキパッドを支える部品(キャリパー)が車軸方向に揺れると、油圧を調整するピストンが押し戻されてしまうことがあります。これが揺れ戻り現象のメカニズムです。 ピストンが押し戻されると、ブレーキパッドとブレーキローターの間に隙間ができてしまいます。そのため、ブレーキペダルを踏んでも、パッドがローターに接触するまでの距離(遊び)が大きくなり、ブレーキの効き始めが遅れるように感じます。まるでブレーキの効きが悪くなったように感じるため、ドライバーはとっさの時に必要な制動力が得られず、危険な状況に陥る可能性があります。 揺れ戻り現象は、車軸やキャリパーの強度、ブレーキの油圧系統の設計など、様々な要因が複雑に絡み合って発生します。安全な運転を確保するために、自動車メーカーは揺れ戻り現象を抑制するための様々な対策を施しています。例えば、キャリパーの剛性を高めたり、ブレーキ油圧の制御を最適化することで、ピストンが押し戻されるのを防いでいます。