右ハンドル車のすべて
右ハンドル車とは、運転席のハンドルが車両の進行方向に向かって右側にある自動車のことを指します。運転者は車両の中央より右側に位置する座席に座り、右手でハンドルを操作します。これは、道路の左側を走行する交通規則を採用している国々で見られる標準的な車両の形状です。
我が国では、道路交通法によって左側通行が定められており、それに伴い右ハンドル車が標準的な仕様となっています。そのため、国内で販売されている新しい車はほぼ全てが右ハンドル車で、日常生活で当たり前に見かける風景となっています。自動車教習所でも右ハンドル車を用いた運転指導が行われており、ほとんどの運転者は右ハンドル車の運転に慣れ親しんでいます。
右ハンドル車は、左側通行の道路環境においていくつかの利点をもたらします。例えば、対向車とのすれ違い時に運転席が道路の中央線に近くなるため、より安全な運転が可能です。また、右側通行の道路を走る左ハンドル車と比べて、路肩に停車する際や狭い道路での通行時に運転席から路肩や障害物との距離感を掴みやすいという利点もあります。
一方で、右側通行の国で運転する場合や、追い越しをする際には、対向車の状況を把握しにくいため、より注意深い運転が必要となります。また、左ハンドル車に比べて運転席から遠い助手席側のミラーの確認が難しく、巻き込み事故などのリスクも考えられます。
世界的に見ると、右ハンドル車は少数派です。イギリス、オーストラリア、インド、日本など、一部の国や地域で採用されているのみで、世界の大多数の国では右側通行、左ハンドル車が主流となっています。そのため、国際的な自動車メーカーは、それぞれの国の交通規則に合わせて、左ハンドル車と右ハンドル車の両方を製造しています。日本国内で販売される輸入車の中には、左ハンドル車のまま販売されているものもあり、運転には慣れが必要です。