多数歯

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エンジン

多数歯トロコイドオイルポンプ:車の心臓を支える潤滑の秘密

車は、様々な部品が組み合わさって動いています。その中で、エンジンを滑らかに動かすために欠かせないのが、多数歯トロコイドオイルポンプです。これは、特殊な形の歯車を使ってエンジンオイルを送り出す、いわば車の心臓部とも言える重要な部品です。 このポンプの心臓部は、内側歯車と外側歯車と呼ばれる二つの歯車で構成されています。中心に位置する内側歯車の周りを、外側歯車が回転します。外側歯車の歯の数は内側歯車よりも一つ多く、この歯数の違いが巧妙な油の送り出しを生み出します。外側歯車が内側歯車の周りを回ることで、二つの歯車の間に小さな空間が生まれます。この空間が、エンジンオイルを閉じ込める部屋の役割を果たすのです。 外側歯車が回転し続けると、この空間の大きさが変化します。空間が広がると、エンジンオイルが吸い込まれ、反対に空間が狭まると、エンジンオイルが押し出されます。この繰り返しが、ポンプとしての働きを生み出し、エンジンオイルを循環させているのです。まるで私たちの心臓が血液を全身に送り出すように、オイルポンプはエンジンオイルをエンジンの隅々まで送り届け、円滑な動きを支えています。 この多数歯トロコイドオイルポンプは、複雑な歯形が特徴です。この特殊な歯形のおかげで、少ない回転数でも効率的にオイルを送り出すことができます。また、振動や騒音を抑える効果もあり、快適な運転を実現するためにも重要な役割を果たしています。まさに、縁の下の力持ちと言えるでしょう。