ガス機関:環境に優しい車の心臓部
ガス機関とは、空気と混ぜた気体の燃料を燃焼させることで力を発生させ、物を動かすための装置です。ガソリン自動車やディーゼル自動車に使われている機関とは異なり、燃料に液体のガソリンや軽油ではなく、気体の燃料を使うことが大きな違いです。
代表的な気体燃料には、液化石油ガスと天然ガスがあります。液化石油ガスは、プロパンやブタンなどのガスを混ぜ合わせたもので、これらは低い温度や高い圧力のもとで簡単に液体になる性質を持っています。家庭で使われる燃料としても広く知られています。液化石油ガスは、備蓄が容易で、必要な時に液体から気体に戻して使えるため、災害時などにも役立ちます。
一方、天然ガスは、地下から掘り出されるメタンを主成分とする燃料です。都市ガスとして家庭で使われるほか、発電所などでも利用されています。天然ガスは、液化石油ガスと同様に、燃焼させるときにガソリンや軽油に比べて二酸化炭素の排出量が少ないという利点があります。そのため、地球温暖化対策としても注目されており、世界中で利用が広がっています。
ガス機関は、燃料の種類によっていくつかの方式に分けられます。大きく分けると、火花点火機関と圧縮着火機関があります。火花点火機関は、スパークプラグで火花を飛ばして燃料に火をつける方式で、点火プラグとも呼ばれます。一方、圧縮着火機関は、空気を圧縮して高温にし、そこに燃料を噴射することで自然発火させる方式です。これらの方式は、燃料の性質や用途に合わせて使い分けられています。ガス機関は、環境への影響が少ないエネルギー源として、これからも様々な分野で活躍が期待されています。