安全走行

記事数:(2)

安全

タコグラフ:安全運転の記録装置

タコグラフとは、大型トラックやバスといった大きな車に取り付けられている、運行記録を作る機械のことです。いわば、車の動きを記録する日記のようなもので、正式には運行記録計と呼ばれています。この機械は、車がどれくらいの速さで走っていたか、どれだけの距離を走ったか、運転手がどれくらいの時間ハンドルを握っていたかといった情報を自動的に記録していきます。 この記録は、安全な運行管理を行う上でとても大切な役割を果たします。例えば、もし事故が起きてしまった場合、タコグラフの記録を見れば、事故当時の車の状態や運転手の状況を詳しく知ることができます。また、運転手の労働時間を管理するのにも役立ちます。運転手が決められた時間以上ハンドルを握っていないか、きちんと休憩を取っているかなどを確認することで、過労運転による事故を防ぐことができます。 さらに、タコグラフに記録された走行データは、燃費を良くしたり、運行の効率を上げるためにも使われます。例えば、急発進や急ブレーキが多い運転手のデータがあれば、より穏やかな運転を指導することで燃費の改善を図ることができます。また、どのルートを通れば一番早く目的地に到着できるかといった分析にも役立ちます。 昔は円盤型の紙に記録するアナログ式が主流でしたが、最近はデジタル式のタコグラフも増えてきました。デジタル式だと、データの管理がより簡単になり、細かい分析もできるようになります。運行記録を残しておくことは道路交通法で決められており、運転手は正しく機械を操作し、記録をきちんと管理する必要があります。
環境対策

高機能舗装:未来の道路技術

高機能舗装とは、従来の舗装を改良し、様々な機能を向上させた新しい舗装のことです。従来の舗装では、アスファルトと混ぜ合わせる石を隙間なくぎっしりと敷き詰めていました。しかし、高機能舗装では、石と石の間にあえて隙間を作ることで、水はけの良さや静かさなど、多くの優れた性質を実現しています。 この高機能舗装には、排水性舗装や低騒音舗装など、様々な種類があります。近年、道路の安全性や環境への配慮が重要視される中で、高機能舗装は注目を集めています。 石と石の間に隙間を作ることで、路面とタイヤの間に空間が生まれます。この空間が音を吸収するため、走行音が小さくなり、静かな道路環境を作ることができます。また、雨の日には、この隙間が雨水を素早く排水するため、路面に水が溜まりにくくなります。水たまりは、車のタイヤが滑る原因となるため、排水性を高めることで、雨の日の事故を減らす効果が期待できます。 さらに、高機能舗装は、舗装面の温度上昇を抑える効果も持ち合わせています。夏の強い日差しによって熱くなった路面は、都市部の気温を上昇させる原因の一つと考えられています。高機能舗装は、この熱を閉じ込めにくいため、都市の気温上昇を抑え、快適な環境づくりに貢献します。 このように、高機能舗装は、安全性、快適性、環境への配慮など、様々な面で優れた性質を持つ、これからの道路に欠かせない技術と言えるでしょう。