定圧サイクル

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エンジン

車の心臓、エンジンのサイクル

車は、今の世の中でなくてはならない移動の手段となっています。人や物を運ぶだけでなく、経済活動や日々の暮らしを支える重要な役割を担っています。そして、その車の心臓部と言えるのが動力源であるエンジンです。エンジンは精密で複雑な機械ですが、基本的な仕組みは「繰り返し」という考え方で理解することができます。この繰り返しは「回り」とも呼ばれ、ある状態から始まり、変化を経て元の状態に戻る一連の流れを指します。 エンジンの回りには、吸気、圧縮、爆発、排気の四つの行程があります。吸気行程では、ピストンが下がり、空気と燃料の混合気がエンジン内部に取り込まれます。この混合気は、次の圧縮行程でピストンが上がることで圧縮され、温度と圧力が上昇します。そして、爆発行程では、圧縮された混合気に点火プラグで火花が飛ばされ、爆発的に燃焼します。この燃焼によってピストンが押し下げられ、車が動くための力が発生します。最後の排気行程では、ピストンが再び上がり、燃えカスがエンジン外部へ排出されます。この一連の行程を繰り返すことで、エンジンは継続的に動力を生み出しています。 エンジンの回りには、ガソリンエンジンでよく使われる「おっとサイクル」や、ディーゼルエンジンで使われる「でぃーゼルサイクル」など、様々な種類があります。これらの違いは、主に燃料の種類や点火方法、圧縮比などにあります。それぞれの回りの特徴を理解することで、エンジンの効率や性能についてより深く知ることができます。本稿では、エンジンの働きを理解する上で重要な、様々な回りについて詳しく説明していきます。それぞれの回りの仕組みや特徴、そして利点や欠点などを理解することで、車全体の性能や燃費についてもより深く理解できるようになるでしょう。
エンジン

ディーゼルエンジン:その仕組みと利点

ディーゼル機関は、ガソリン機関とは異なる仕組みで動力を生み出します。ガソリン機関が、空気と燃料を混ぜたものを圧縮して火花で燃やすのに対し、ディーゼル機関は空気をのみを強く圧縮します。この圧縮によって空気の温度は非常に高くなります。そこに燃料を霧状にして噴射すると、高温の空気によって燃料が自然に燃え始めるのです。この燃焼の仕方がディーゼル機関とガソリン機関の大きな違いです。 ディーゼル機関はこの燃焼方式のおかげで、ガソリン機関よりも高い圧縮比を実現できます。圧縮比が高いほど、燃料が持つエネルギーをより多く動力に変換できるため、燃費が良くなるのです。燃料を燃やしてピストンを動かす際に、一定の圧力を保ちながら燃焼が行われるため、ディーゼル機関のサイクルは「定圧サイクル」とも呼ばれます。ディーゼル機関特有の、力強い「ガラガラ」という音は、この燃焼方式から生まれるものです。 高い圧縮比による燃費の良さだけでなく、ディーゼル機関は力強いトルクも特徴です。低回転から大きな力を出すことができるため、重い荷物を運ぶトラックやバスなどによく使われています。近年では、燃料噴射の技術も進化し、燃料をより細かく霧状にして噴射することで、燃焼効率を高め、排出ガスを減らす技術開発も進んでいます。これにより、環境性能も向上し、乗用車にもディーゼル機関が広く採用されるようになりました。