実舵角

記事数:(2)

車の開発

車の動きを知る:旋回半径測定器

くるまを取り回す能力を示す「旋回半径」を正確に測るための道具が旋回半径測定器です。この道具を使うことで、どれだけの小さな円で旋回できるかを数値で把握できます。具体的には、ハンドルを回した時のタイヤの回転角度、いわゆる「実舵角」を精密に測ることで、旋回能力を評価します。 この測定器は、自動車を作る会社や修理工場などで幅広く使われています。新しいくるまの開発では、設計通りに旋回性能が出ているかを確認するために必要です。また、すでに使われているくるまの整備や点検においても、旋回半径測定器を用いて性能をチェックすることで、安全な走行を維持するために役立っています。 旋回半径は、くるまを作る段階で重要な要素です。特に、街中での運転のしやすさや、駐車スペースへの出入りしやすさといった、普段使いに大きく関係します。狭い道でのすれ違いや、駐車場での切り返し操作をスムーズに行うためには、小さな旋回半径が求められます。旋回半径が小さければ小さいほど、小回りが利き、運転操作が楽になります。 旋回半径測定器で正確なデータを得ることは、くるまの性能を正しく評価する上で欠かせません。このデータは、開発段階での設計変更や、整備時の調整などに役立ち、運転のしやすさや安全性を高めることに繋がります。また、得られたデータは、カタログなどに記載され、購入を検討する人にとって重要な情報源となります。つまり、旋回半径測定器は、くるまを作る側と使う側の双方にとって、無くてはならない道具と言えるでしょう。
運転

車の動きを司るかじ取り角

車は、行きたい方向へ進むために、タイヤの向きを変えて進路を調整します。このタイヤの向きが、どのくらい変わったのかを示す角度のことを、かじ取り角と言います。 かじ取り角を理解するために、車を上から見た図を想像してみてください。車はまっすぐ進む時、タイヤは進行方向と同じ向きを向いています。ハンドルを回すと、タイヤは進行方向からある角度だけ向きを変えます。この時の、進行方向とタイヤの向きが作る角度が、かじ取り角です。 かじ取り角は、ハンドルを切る量に比例して大きくなります。ハンドルを少しだけ切れば、かじ取り角は小さく、大きく切れば、かじ取り角も大きくなります。そして、このかじ取り角の大きさが、車の曲がり方に大きく影響します。かじ取り角が小さいと、車は緩やかにカーブし、大きいと急カーブします。 車の回転の中心も、かじ取り角と深く関わっています。車は、ある一点を中心にして回転するように曲がります。この中心点は、回転中心と呼ばれます。かじ取り角が大きくなるほど、回転中心は車に近づき、回転半径は小さくなります。反対にかじ取り角が小さくなるほど、回転中心は車から遠ざかり、回転半径は大きくなります。 また、前輪と後輪のかじ取り角の違いも、車の動きを理解する上で重要です。多くの車では、前輪にだけかじ取り機構がついており、後輪は固定されています。前輪のかじ取り角によって、車の進行方向が変わります。後輪は、前輪の描く円弧に沿って動きます。 このように、かじ取り角は、車の動きを理解する上で欠かせない要素です。かじ取り角を理解することで、ハンドル操作と車の動きの関係をより深く理解し、安全運転に役立てることができます。