品質管理の要!管理図入門
ものづくりの現場では、品質を常に一定に保つことがとても大切です。製品の大きさや性能にばらつきがあると、不良品が出てしまったり、お客様からの信頼を失ってしまったりするからです。そこで、品質をうまく管理するための道具として、管理図というものを使います。管理図とは、ものづくりの過程で得られる様々な数値を、時間の流れに沿って記録し、その変化を目で見てわかるようにした図です。
たとえば、ある部品の長さを測る場面を考えてみましょう。この部品の長さは、理想的には設計図通りの寸法であるべきですが、実際には材料の性質や機械の精度など、様々な要因によってわずかに変化します。この変化が許容範囲内であれば問題ありませんが、もし何らかの異常が発生すると、部品の長さが大きくずれて不良品になってしまうかもしれません。このような異常を早期に発見するために、管理図が使われます。
具体的には、部品の長さを定期的に測り、その値を管理図に点を打つように記録していきます。管理図には、あらかじめ計算された中心線と上方管理限界線、下方管理限界線と呼ばれる3本の線があります。中心線は平均値を表し、管理限界線はばらつきの許容範囲を示します。測定値がこれらの線の間に入っていれば、工程は安定していると考えられます。
しかし、もし測定値が管理限界線を超えてしまったり、中心線から大きく離れた値が連続して現れたりした場合は、工程に異常が起きている可能性が高いと判断できます。例えば、機械の調整がずれていたり、材料の品質に問題があったりするかもしれません。このような異常を管理図によって早期に発見し、迅速な対策を講じることで、不良品の発生を防ぎ、品質を一定に保つことができるのです。管理図は、ものづくりの現場において、品質管理の大切な役割を担っていると言えるでしょう。